2016-01-01から1年間の記事一覧

モロッコ旅行記・最終回

旅も遂に最終地カサブランカに到着してしまった。カサブランカはモロッコの旅の出発地でもあるのだから戻ってきてしまったと言った方が良いのかもしれない。  カサブランカはモロッコは勿論の事、マグレブ諸国(アフリカ北西部の国々)の中心となる経済都市…

モロッコ旅行記15

人通りの少なくなった路地裏でグイっと上腕を掴まれ、冷や汗を掻きつつ後ろを降り返ると強面のオジサンが…。 誰だ? いや確か、何処かで見た様な…。 そうだ!今朝訪れたマドラサの管理人のオジサンだ! 「解ったか?」と言った表情でオジサンは微笑むと私の…

モロッコ旅行記14

大変お待たせ致しました。ブータンから帰国していました。幸せの国ブータンから戻ると日本はカルチャーショックで臥せっていました(笑)ではちょっと間が空いてしまいましたが、モロッコ旅行記の続きから始めたいと思います。 カワナメシの強烈な悪臭と強烈な…

お知らせ

モロッコ旅行記連載中でしたが配分を間違え、旅立つ時が来てしまいましたので、一旦筆を置き旅立たせて頂きます。帰国後モロッコ旅行記を完結させ今回の旅行記を始めたいと思います。宜しくお願いします。 昨日、仕事を終え帰宅し、愛用のDバッグから汚物(…

モロッコ旅行記13

フェズの創建は808年、京都の創建が794年だから同じくらいの歴史を持っている事になる。しかし決定的に違う点は京都は自社仏閣を除けば最早近代的な都市である事に比べ、フェズは創建当時そのままの姿が残されている事だ。 道幅は当時の寸法、即ちメイ…

モロッコ旅行記12

再び駱駝に揺られ下界へと戻った。乗り物を4WDに移しひたすら荒野を駆け抜けもう一つの古都フェズを目指した。 走る度、峠を越す度、緑が濃くなっていく。途中車窓から眺める湖の青に癒される。(今度こそ蜃気楼ではなかった!)それは何処か日常の世界に戻…

モロッコ旅行記11

朝、未だ陽が昇らぬうちにテントを出て砂丘へと登った。中腹に辿り着く頃陽が昇り始めた。 漆黒から青へ、そして赤へ。陽を受けた部分は燃える様に赤く、影の漆黒と、赤と黒の情熱的なコントラストの大海原が永遠と拡がっている。 もし昨日私を此処まで連れ…

モロッコ旅行記10

駱駝に乗ってサハラを進んだ。 駱駝を操る水先案内人は藍色の民族衣装が眩しい砂漠の民トワレグ族の男だ。 旅に出るまで砂漠は単に砂の大平原程度に感じていた。しかし駱駝に跨がり砂漠に足を踏み入れれば、其処には幾重にも砂丘が連なり、それはまるで大波…

モロッコ旅行記9

ワルザザードからサハラに続く道、荒野にオアシスが点在し、其処にクサールやカスパが残る道、嘗て駱駝の隊商達が過ぎていったこの道を旅人達はカスパ街道と呼んだ。 タウリルトのカスパに入場したが、内部は村落同様迷路の様に入り組み、防御の工夫があちこ…

モロッコ旅行記8

荒野をどれだけひた走っただろうか?前方に緑生い茂る一帯が現れた。ナツメ椰子に覆われたオアシスだ。緑があると言う事は其処に水があり、其処が唯一人の住める場所だから、そんな場所には必ず集落がある。 オアシスに近づけば、四方が城壁で囲まれた、日干…

モロッコ旅行記7

マラケシュを経ってサハラ砂漠を目指した。ジャマエル・フナ広場で調べて知った、サハラ砂漠を渡って行われた遥か嘗ての交易、その道をなぞって旅は続く。 先ずサハラを目指す者に立ちはだかるのが最高地点で標高4千辰魃曚好▲肇薀校殻だ。昔は駱駝の隊商が…

モロッコ旅行記6

ジャマエル・フナ広場を見下ろすカフェ・グレースに陣取って、ミントティーを傾けながら夕暮れの広場の光景を楽しんだ。 ミントティーは北アフリカで日常的に飲まれるお茶で、中国茶に砂糖とミントの葉をこれでもか!と言う程入れ、暖かいクールミントガムの…

モロッコ旅行記5

見所ばっかりを押さえて綴るとマラケシュは地味に映るかもしれない。タージ・マハールの様な派手なアイキャッチは無いし、ヨーロッパの様な可憐な街並みでも無い。しかし此処はバックパッカーの聖地として有名なだけでは無く、ブラッド・ピッド氏が別荘を持…

モロッコ旅行記4

旧市街の散策は前回紹介したクトゥビアを起点に始まった。先ずは史跡地区と呼ばれる新旧の宮殿が残る地域を散策した。マラケシュで一番荘厳と言われるアグノウ門を潜ると史跡地区に入る。 アグノウ門はスルタン(王)が宮殿に向かう際使用された門だが、罪人…

モロッコ旅行記3

? ホテルで長旅の疲れを癒し、家を出て3日目の朝漸く本格的な街歩きが始まった。北アフリカ等ヨーロッパの植民支配を経験した地の大きな街は、大抵それ以前から続く旧市街と征服した国が築いた新市街から出来ている。フランスに支配されたモロッコでは新市…

モロッコ旅行記2

日本からドバイまで約10時間、ドバイからモロッコまで約9時間、久々のロングディスタンスの飛行機の旅だった。しかし休む間も無く鉄道駅へ、想像に反して電光掲示板も有する近代的なホームに、此処はヨーロッパか?と思うお洒落な列車が到着した。思えば…

モロッコ旅行記1

2010年に訪れたモロッコの旅を紹介します。 なんと!旅の不安は出国前に訪れた! 私は旅する時、往きの乗り継ぎが恙無く運ぶか非常にナーバスになる。現地に行ってしまってからのトラブルは自己責任だし、自分で何とかすれば良い事だし、旅人として、そ…

近況報告

更新が遅れて申し訳ございません。喘息等などちょっと体調が優れなかったりなんなりで…。 更に会社から野暮な命令が降りまして…。本人は全く望んではいないのですが、ちょっと資格試験を受けざる得ない事となりまして…。好きな事は倒れる迄追求するけど、興…

古き友人

? この2ヶ月、雨と曇りの日数を引いたなら、間違っても二桁の数字には至るまい。突然寒くなった。このシーズン、疲れが貯まると厄介な古き友人が訪れる。彼の名は喘息。普段は全く疎遠になっているものの、季節の変わり目、体調を崩すと不意に顔を出す。 幼…

降臨

ご無沙汰となってしまいました。ちょっと仕事が押していた事と…。 毎度恒例の…突然降りてきたのです。旅の神様が…。 「さっくん、旅に出ろ!」 と…。 旅の神様の命令は絶対です。仕事中にも関わらず私の脳は活発に行き先を探し求めます。 しかし今回は粗方方…

銀河鉄道999

今回は、私の旅人生に大きく影響を与えたアニメを紹介したいと思う。松本零士氏の銀河鉄道999だ。 未来の宇宙、人類は機械の体を手に入れ永遠の命を手に入れた。一方貧しい人間は機械の体を買う事が出来ず、機械化人間から差別を受けながら生きてかねばな…

好き嫌い

私は食べ物に関して殆どと言って良い程好き嫌いが無い。過去に一緒にいた女性に 「さっくんは何作っても美味しいと食べるから、張り合いがある様な無い様な…」 って言われた事がある。張り合いがある様で、逆に手を抜いても、何作っても返答に代わり映えが無…

依存症

依存症と言う病気がある。世間では意思薄弱だから依存症になる、なんて考えられがちだが、依存症は脳のメカニズムが変わってしまう、列記とした脳の病気だ。 依存症にかかってしまうと患者の脳は、依存の対象が体内に入っている状態こそ正常な状態であると誤…

Fragile

雨が降り続く、憂鬱なニュースを見た。911世界貿易センター崩壊事件の時、現場で救助活動を続けた人々に癌が多発し、次々と命を落としていると言う。 ?史上空前の危機から人命救助の為、命を賭けて働いた彼等が残酷な運命に翻弄されている。 その原因は、崩…

零戦

零戦は第二次世界対戦の名機として誉れ高い。本当にそうだろうか?零戦が名機と言われる理由は航続距離と旋回性能に寄る。大戦開始当時の戦闘機の戦いは如何に敵機の背後を取るかにかかっていたから、とりわけ旋回性能に優れた零戦が有利に戦闘をこなしたの…

ジャズ

クラシックをこよなく愛し自身も地元の楽団でバイオリンを弾いていた母は、私にもクラシックを教えようと願っていたのだろう。私は幼い頃ピアノを習わされていた。しかし近所の友達達との遊びに夢中になって、いつしか母と大喧嘩してピアノを習う事を私は拒…

ソウルフード 続編

前回ソウルフードについて書いた。本家のソウルフードには重い、重い、由来があったが、今ではローカルフードまでソウルフード等と呼ぶ場合がある。それなら私の個人的なソウルフードを挙げてみようと思う。 間違いなくそれは袋麺だ。決してカップヌードルで…

ソウルフード

今から遠い昔話、私は大好きだったjazzを求めてニューヨークに旅立った。 今でこそjazzはお洒落な部類の音楽となったが、jazzが生まれた当初、それは黒人差別に苦しみ、それと戦う彼等の魂の叫びだった。 アフリカから奴隷として連れて来られた彼等、彼等の…

八つ墓村 後編

八つ墓村の原作とはどう言う物語だろうか?実は犬神家の一族や獄門島の様な横溝氏の金田一シリーズの王道とも言える作品とは違い、変化球の作品であると言える。金田一シリーズは長編、短編を合わせると50作にも及ぶシリーズであり、作者、読者共々時には…

八つ墓村 前編

「祟りじゃー!○○小学校は呪われている!○○天神様はお怒りじゃ!お前が来ると血の雨が降る!祟りなのじゃー!」 モップを分解してモジャモジャの部分を頭に被り、柄の部分を杖にして、映画に登場する濃い茶の尼に扮装しては教育実習生を困らせ担任を激怒させ…