2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

モロッコ旅行記11

朝、未だ陽が昇らぬうちにテントを出て砂丘へと登った。中腹に辿り着く頃陽が昇り始めた。 漆黒から青へ、そして赤へ。陽を受けた部分は燃える様に赤く、影の漆黒と、赤と黒の情熱的なコントラストの大海原が永遠と拡がっている。 もし昨日私を此処まで連れ…

モロッコ旅行記10

駱駝に乗ってサハラを進んだ。 駱駝を操る水先案内人は藍色の民族衣装が眩しい砂漠の民トワレグ族の男だ。 旅に出るまで砂漠は単に砂の大平原程度に感じていた。しかし駱駝に跨がり砂漠に足を踏み入れれば、其処には幾重にも砂丘が連なり、それはまるで大波…

モロッコ旅行記9

ワルザザードからサハラに続く道、荒野にオアシスが点在し、其処にクサールやカスパが残る道、嘗て駱駝の隊商達が過ぎていったこの道を旅人達はカスパ街道と呼んだ。 タウリルトのカスパに入場したが、内部は村落同様迷路の様に入り組み、防御の工夫があちこ…

モロッコ旅行記8

荒野をどれだけひた走っただろうか?前方に緑生い茂る一帯が現れた。ナツメ椰子に覆われたオアシスだ。緑があると言う事は其処に水があり、其処が唯一人の住める場所だから、そんな場所には必ず集落がある。 オアシスに近づけば、四方が城壁で囲まれた、日干…

モロッコ旅行記7

マラケシュを経ってサハラ砂漠を目指した。ジャマエル・フナ広場で調べて知った、サハラ砂漠を渡って行われた遥か嘗ての交易、その道をなぞって旅は続く。 先ずサハラを目指す者に立ちはだかるのが最高地点で標高4千辰魃曚好▲肇薀校殻だ。昔は駱駝の隊商が…

モロッコ旅行記6

ジャマエル・フナ広場を見下ろすカフェ・グレースに陣取って、ミントティーを傾けながら夕暮れの広場の光景を楽しんだ。 ミントティーは北アフリカで日常的に飲まれるお茶で、中国茶に砂糖とミントの葉をこれでもか!と言う程入れ、暖かいクールミントガムの…

モロッコ旅行記5

見所ばっかりを押さえて綴るとマラケシュは地味に映るかもしれない。タージ・マハールの様な派手なアイキャッチは無いし、ヨーロッパの様な可憐な街並みでも無い。しかし此処はバックパッカーの聖地として有名なだけでは無く、ブラッド・ピッド氏が別荘を持…

モロッコ旅行記4

旧市街の散策は前回紹介したクトゥビアを起点に始まった。先ずは史跡地区と呼ばれる新旧の宮殿が残る地域を散策した。マラケシュで一番荘厳と言われるアグノウ門を潜ると史跡地区に入る。 アグノウ門はスルタン(王)が宮殿に向かう際使用された門だが、罪人…

モロッコ旅行記3

? ホテルで長旅の疲れを癒し、家を出て3日目の朝漸く本格的な街歩きが始まった。北アフリカ等ヨーロッパの植民支配を経験した地の大きな街は、大抵それ以前から続く旧市街と征服した国が築いた新市街から出来ている。フランスに支配されたモロッコでは新市…

モロッコ旅行記2

日本からドバイまで約10時間、ドバイからモロッコまで約9時間、久々のロングディスタンスの飛行機の旅だった。しかし休む間も無く鉄道駅へ、想像に反して電光掲示板も有する近代的なホームに、此処はヨーロッパか?と思うお洒落な列車が到着した。思えば…