2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

遥かなるトンブクトゥ4セグー

再び北上を続け、バマコより北に約250キロ、最初の目的地セグーに到着した。バマコを発って初めての街らしい街だ。セグーはフランス統治時代に総督府が置かれた事で整備され発展した。そんな経緯からこの街には特段見所は無い。そんな訳もあって旅人には…

遥かなるトンブクトゥ3セグーへ

? ガイドを努めてくれるティメとドライバーのアリと合流し、大きな不安を詰めたままトンブクトゥを目指す私の旅は始まった。街を出ると路肩もあやふやなアスファルトの道をランドクルーザーは疾走する。あやふやな路肩の両側にはアフリカ独特の赤い土が覆っ…

遥かなるトンブクトゥ2バマコ夜

アマドゥと一緒にホテルのレストランに入った。アフリカの電気事情は悪い。レストラン内部もバーの店内より薄暗い。席に着こうとすると蚊が数匹飛んでいるのが確認できた。此処では蚊はマラリアを持っている可能性が高いので大問題なのだ。 アマドゥに促され…

遥かなるトンブクトゥ1バマコ到着

バンコク、ナイロビで二度乗り継ぎをする長い飛行機の旅も、それまでに起こった旅のゴタゴタから比べれば信じられない程何事も無く、旅の期待もあって全然長いと感じる事無くあっけない程に私はマリの首都バマコに到着した。空港には民族衣装を纏った現地旅…

遥かなるトンブクトゥ序6出発

航空会社の立て続けのフライトキャンセルの次に私の旅に立ち塞がった驚異は乗り継ぎ先のバンコクを襲った洪水だった。日に日に水嵩は増し洪水はバンコクへと迫っていった。仕事の合間私は携帯を握りしめて顛末を祈る様な気持ちで情報を収集した。出発約二週…

遥かなるトンブクトゥ序5準備

トンブクトゥへ行きたい!そう決意したとは言え、当初は計画を暖めゆっくりと計画を練ってから赴こうと考えていた。しかしそんな悠長な事を言っていられない状況が起こった。10年暮れに起こった中東の春だ。それがリビアへ波及しカダフィが倒れた時、私は…

遥かなるトンブクトゥ序4サハラ砂漠

アトラス山脈を越えると、それまで緑多かった大地は草木も疎らな荒野へと姿を一変する。ドライヤーの様な熱風が吹く大地を振り替えればアトラス山脈の頂上には残雪が残る。 そこから先は人は疎らに点在するオアシスのみに暮らす事が許される。そこには嘗てイ…

遥かなるトンブクトゥ序3マラケシュ

2010年5月、私はモロッコ、マラケシュのジャマエルフナ広場を見下ろせる喫茶店にてミントティーを傾けながら広場の眺めを楽しんでいた。一日中、一年中祭り騒ぎの様なこの広場が、夕刻になると更に忙しなくなる。 日中に技を競いあった蛇使い、火吹き男…

遥かなるトンブクトゥ序2アザワド

2010年暮れ突如巻き起こったジャスミン革命、それは瞬く間に隣国リビアに飛び火した。以前から欧米に敵対していたカダフィは欧米によって殺害され、トップを失ったリビアは国の体を為さない無法地帯と化した。リビアには貧しいマリのトワレグ族系出稼ぎ…

遥かなるトンブクトゥ序1

これまでシリア、イエメン、私がこの10年間に訪れた国の中で、紛争が発生し当分訪れる事の出来なくなってしまった国々を紹介してきた。最後にもう一つマリの旅を紹介しようと思う。 その前に知名度が低いであろうマリについて簡単に述べておこう。マリは西…

幸せのアラビアを探して 終章

男は私をクリーク沿いの一件の家へ招待してくれた。そこは家と言うより集会所?民族衣装の地元の男達が集まっていた。そこで甘いものが大好きなアラブ人に嫌と言う程甘いアラブのお菓子を頂き、これまた砂糖のたっぷり入ったチャイを振る舞われ、終いには夕…

幸せのアラビアを探して14

イエメンから帰国の為、アラブ首長国連邦のドバイに降り立った。ドバイ、石油で潤った資金を元に、石油枯渇後の未来を見据え貿易と観光に惜しみ無く注ぎ、瞬く間に世界有数の近代都市へと変貌を遂げたシティリゾート。砂漠の中に忽然と現れた摩天楼。嘗て高…

幸せのアラビアを探して13

イエメンを去る朝も大音量のアッザーンにたたき起こされた。早起きは三文の得、空港までの送迎が迎えに来る迄もう一度サナアの街を歩くことにした。 昼は人でごった返す旧市街も朝は人影疎らである。狭い石畳の旧市街をイエメン門を目指し歩いていると何故だ…

幸せのアラビアを探して12

私が次に訪れた山岳部族の村はシバームとコーカバンと言う二つの兄弟の様な村だ。(世界遺産となっているシバームとは同名だけど別の村)コーカバンは高い崖の頂上に位置し、シバームは崖の麓に拡がっている。この二つの村はそれぞれの立地の特徴を生かす事…