2018-01-01から1年間の記事一覧

年末年始のお知らせ

世の中は情報に満ちている。そして我々はその情報を自由に自分の意思で取捨選択していると思っている。しかしその裏で実は自分で選択した筈の情報に操られ、踊らされている事も数多い。 服の流行なんてその最たるものだ。流行は決して自然発生するものでは無…

旧ユーゴスラビアを旅する最終回

ヴェネチア滞在も、いやこの度の旧ユーゴスラビアを巡る旅も、遂に最終日となってしまった。いつもよりも長めの一ヶ月と言う期間もあっという間の出来事だった。 最後に導かれる様に訪れたヴェネチアも二泊三日ではとても回りきれない程見所の詰まった街だっ…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ヴェネチア編その4

トルチェッロ島を後にして訪れたのは往きにトルチェッロ島に行く為に乗り継いだ島のブラーノ島。島を降りまっすぐ進めば原色に彩られた町並みが広がる。なんでまたこんな派手派手な家にしたのかと言うと、この島は漁師の島。漁師が漁に出て戻る時、濃霧がか…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ヴェネチア編その3

ヴェネチア二日目はヴェネチア離島巡りから開始する。ファンダメンテ・ノーボの船乗り場からヴァポレットに乗り込み、ヴェネチアの墓地となっているサン・ミケーレ島を通り越しブラーノ島へ、其処で船を乗り継いでトルッチェロ島を訪れた。 (サン・ミケーレ…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ヴェネチア編その2

さて今日からヴェネチアを本格的に歩く事にする。二度目とは言え25年ぶり、変化球では無く王道を旅しようと思う。それなら向かう場所はただひとつ、サンマルコ広場と言う事になる。 鉄道が敷かれた今でこそヴェネチアの表玄関はサンタルチア鉄道駅に多くの役…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ヴェネチア編

ヴェネチア…私にとって特別な想いがある街。そもそも今回の旅で私はヴェネチアへ訪れる予定は無かった。最初はマケドニア等南部バルカン半島に絞った旅程で想定していた。しかし折角訪れるのだから北部で未訪問となっているスロヴェニアも訪れたい。そんな事…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+サンマリノ編

ようやく辿り着いたヴェネチア。早速歩き出したいのを必死に堪えて再びサンタルチア駅へ向かうと其処から列車に乗り込んだ。私が向かった先はリミニと言う駅。其処からバスに乗り継いでサンマリノ共和国へと向かった。 サンマリノ共和国は四方をイタリアに囲…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スロヴェニア・ゴリツァ編

少々長居したスロヴェニアを後にしてイタリアを目指す。本来はダイレクトにヴェネチアまでバスで行けるのだが、折角此処までやって来てダイレクトもつまらないので一ヶ所立ち寄ってから向かう事にした。 列車は一昨日訪れたシェコフヤ・ロカに停まり、昨日訪…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スロヴェニア・ブレッド湖編

スロヴェニア滞在最終日、完璧とは言えないけれど滞在中一番の天気になった。待った甲斐あった。バスに乗りブレッド湖へ向かった。スロヴェニアの国土は狭い、リュブリャーナからどの方角に2~3時間走れば大抵の見所に到着する。 ブレッド湖はリュブリャー…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スロヴェニア・リュブリャーナとその郊外編

スロヴェニアの三日目が訪れた。リュブリャーナの天気は相変わらず曇りだ。どうやら私と相性が悪いらしい。これでは湖見学はつまらないのでブレッド湖見学はスロヴェニア滞在最終日の明日へ持ち越しだ。 と言う訳で曇りの中リュブリャーナで未だ訪れていない…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スロヴェニア・ポストイナ編

朝起きるとリュブリャーナの天気は今にも雨が降りだしそうだった。天気予報を見ればずっとぐずつきそうだ。スロベニア滞在で一番晴れて欲しいブレッド湖は後回しにして天気の悪い日には未だ見れていない鍾乳洞を訪れよう。 昨日鉄道で走った路線を今度はバス…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スロヴェニア・ピランからシュコツィアン鍾乳洞編

さて前々回ピランに到着した。翌朝起きてみれば絶好の良い天気。何故だか海沿いでは私は晴れ男の様だ。早速ピランを一望できる城壁に向かう。坂を登れば城壁に登る前から絶景が見える。城壁にいざ登ればV字型に細長く突き出たピランの岬が一望できる。その岬…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スロヴェニア編

前回クロアチアのロヴィニからスロベニアのピランに移動した。これで旧ユーゴスラビアの国を全て訪れた事になる。ではいったいスロベニアとはどんな国なのだろうか? 位置的にはクロアチアとイタリアに挟まれ北にはオーストリアがある。海岸線はとても狭くピ…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+クロアチア・ロヴィニからスロヴェニア・ピランへ

本来本日は7年ぶりとなるザグレブを再訪する予定でいた。しかし折角なら未だ見ぬ街を訪問したいと思いバックパックの奥にしまっていたクロアチア・スロベニアのガイドブックを取り出し眺めていると一目惚れしてしまいそうな街の写真が目に飛び込んできた。…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+クロアチア・プリトヴィツェ編

さて再び時計を巻き戻して今回の旅へと戻ろう。ベオグラードから夜行バスでザグレブに到着した私は、本来5時半にプリトビツェへ向かうバスに乗り継ぐ筈だった。しかし迂闊にも今日はクロアチアの祝日。5時半のバスは休日ダイヤで無し、折角混雑を避ける為…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+スマホと旅

世の中はスマホの登場によって躍進的に変わったが、それは旅にもあてはまる。添乗員が全てやってくれるツアーなら兎も角、自分で全てをこなさなければいけないバックパッカースタイルの旅人にとって、スマホは革命的だったとも言える。 その日の思い付きで行…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+クロアチア・ザグレブ編

ベオグラードから夜行バスに乗りザグレブを目指した。クロアチアの歴史は語ったので重複は避けるが、ベオグラードからザグレブへ続くこの地域は両者の争いが一番激しかった地域だ。クロアチアとセルビアは他の国々が単に独立を勝ち取る為セルビアと戦ったの…

旧ユーゴスアビアを旅する完全版+セルビア・ベオグラード編

宿に屯するニャンコに見送られベオグラード散策が始まった。鉄道駅からそう離れていない場所にベオグラードの官庁街がある。その一角のビルはまるで廃墟と言うか、事実廃墟だった。これはコソボ紛争時に西側の調停案を蹴ったばかりにNATO軍の空爆を受けた跡…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+セルビア編ミロシェビッチと言う男

一連のユーゴスラビア紛争は結局NATOとアメリカの空爆、そして事実上のコソボ独立と言う形で終息を迎えた。 その後セルビアを一方的に悪者とみなした様な西側の報道や攻撃を非難する様な声も高まった。勿論それらの発言はある意味正しい。戦争に正義は無い。…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+セルビア・ノヴィ・パザル編

此処から再び今年の旅に話題を戻す事とする。プドヴァを後にしてモンテネグロを抜けセルビアの首都ベオグラードを目指す。その道中の鉄道は景勝路線としても有名なのでとても気になっていた。しかし日中の大半を移動に使ってしまうのも勿体ない。なら夜行を…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+宣伝?編

これまで2011年に訪れたドブロブニクからモスタル・サラエボ迄を綴ってきました。次回からは2018年の旅に戻って続けていこうと思いますが、此処で私が旅行記を綴っているもうひとつのサイトの方の今回の旅行記分が完結間近まで来たので紹介させていただきま…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ボスニアヘルツェゴビナ編サラエボその2

サラエボ郊外にあるトンネル博物館を訪れた。このトンネルはセルビア軍に四方を包囲されたサラエボ市民の唯一の外界との接点となったトンネルだった。そう書かれた説明を鵜呑みにすれば、このトンネルはサラエボ市民の希望のトンネルでもあったと思える。勿…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ボスニアヘルツェゴビナ・サラエボ編その1

ヨーロッパの鉄道駅は大抵街の中心から離れているものだが、此処サラエボも例に漏れない。寂れた駅舎を抜け、うらぶれた通りを歩き、街の中心を目指した。途中だだっ広い大通りに出る。狙撃通りだ。ボスニア紛争時、セルビア軍はサラエボの周囲を囲む山々に…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+民族浄化とは

民族浄化…ユーゴスラビア紛争を語る上で避けては通れない言葉でもある。語源はユーゴスラビア紛争を終結させる為、セルビアを一方的に悪とし、セルビアを屈服させる為のメディア戦略の一貫として彼等が行った悪行を簡潔にアピールする為に作られた言葉だ。当…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ボスニアヘルツェゴビナ・モスタル編

ボスニアヘルツェゴビナに入国するとバスは海岸沿いを離れ内陸に分け行っていく。車窓からは長閑な風景が続くが、其処に不自然に廃墟と化した家屋が点在し内戦の傷跡を今に伝えている。モスタルに到着すると宿屋の呼び込みや自称ガイドがワラワラと集まって…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+ボスニアヘルツェゴビナ序章

さて、旧ユーゴスラビア5か国目ボスニアヘルツェゴビナの紹介をしよう。ボスニアヘルツェゴビナは地図を見ると一目瞭然、バルカン半島としても旧ユーゴスラビアとしても中心となる位置にある。こうした事から古くから此処は文明の十字路として機能してきた…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+クロアチア・ドブロヴニク編

重たい話題が先行してしまったが、キッパリ切り替えて11年に旅したドブロブニクの旅を紹介しよう。この旅では私はクロアチアの首都ザグレブから空路でドブロブニクに訪れた。機内の車窓からは分厚い雲しか見る事が出来なかった。ドブロブニクは海沿いの美…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+クロアチア編序章

モンテネグロのコトルから車で約3時間、クロアチアの国境を越えた先にドブロブニクがある。それでは旧ユーゴスラビアの4か国目クロアチアの概要を説明しよう。 クロアチア人も南スラブ人である事は他のユーゴスラビア諸国と同様だが、立地的に北西に位置し…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+モンテネグロ・コトル編

ブドヴァからコトルに移動した。コトルは他のアドリア海沿いの街と違いアドリア海から深く切れ込んだ入り江の最深部に街がある。背後には急峻な山々がそそり立つ。山肌は岩の質のせいか、太陽光線の具合で黒々と見え、モンテネグロ(黒い山)と言うイメージも…

旧ユーゴスラビアを旅する完全版+モンテネグロ・プドヴァ編

さて、話を始める前にしつこい位にユーゴスラビアの歴史のおさらいを行おう。ユーゴスラビアとは南スラブ人の国と言う意味で、殆どが南スラブ人で構成された国だ。その南スラブ人はビザンティン帝国の影響で東方正教を信仰する事となり、それがユーゴスラビ…