降臨

 ご無沙汰となってしまいました。ちょっと仕事が押していた事と…。

 毎度恒例の…突然降りてきたのです。旅の神様が…。

さっくん、旅に出ろ!」

と…。

 旅の神様の命令は絶対です。仕事中にも関わらず私の脳は活発に行き先を探し求めます。

 しかし今回は粗方方面は決まっていました。インド東方の国…。その片割れバングラデシュは昨今テロで邦人も犠牲になっている事から後回しにするならば、行き先は決まったも同然、ブータン!ああれやこれやと言う間に速攻で予約を済ませてしまいました。

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 今年の初夏にチベット旅行記をアップした時から気にはなっていた。同じチベット仏教を国教とする国ブータン

 また先代の国王が掲げたGNH( 国民総幸福量)の考え方にも、物凄く興味がある国でもある。

 国内総生産、即ちGDPと言う金の数値だけで国の良し悪しを決める風潮に一石を投じた。バブルな頃の日本人的感覚からすれば、世界最貧国のひとつでもあるブータンの負け惜しみと切り捨てたかもしれないが、世界中を旅してきた今、その言葉にずしりと重みを感じていてる。

 現在日本のGDPは世界でもトップレベルにある事はあるが、同じぐらいの数値の欧米の国で暮らす人々は日本人の数倍の休暇を持って同じ数値を叩き出す。ならば労働時間で割ったなら日本は貧しいと言う事だ。

 ブラック企業がのさばり、そんな中快適便利な暮らしを餌に四六時中せかせか働き続ける日本人を見ていると、なんだか餌を追い続け回転篭を回し続けるハムスターを見ている気持ちになる。

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 深夜特急を執筆した沢木耕太郎氏も作品中で同じような事を述べていたが、私も旅を続ける内に、自然と本当に必要なものが取捨選択されていき、荷物が軽く、身も軽くなっていった。沢木氏はそれを「開放されていく自分を感じた。」と表現している。

 我々は消費が産み出す金が原動力の資本主義の歯車になるべく知らず知らずのうちに快適便利な商品を追い求める様に金、物質こそが至上の拝金主義を洗脳されている。

 旅を続けている内に、そんな洗脳がハッと解けた。そしたら違う生き方が見えてきた。そんな中出会った「国民総幸福量」と言うブータンの概念、そこに共通する何かを感じた。しかしまさかそれそれを提唱する国が現れるとは思ってもいなかったので非常に興味を持つこととなった。

 となると今回の旅はブータンが私を誘ったのか?果たしてブータンとはいったいどんな国なのか?

それを求めて12月9日深夜、羽田を立つ。