2015-01-01から1年間の記事一覧

行く年来る年

イスラーム教徒はどうして豚を食べないのか? (パキスタン 夕陽) 良く聞かれる質問ではあります。そんな時、私は問い直したくなります。 「どうして日本人は犬を食べないのですか?」 「当然だろ!」 との叫び声が聞こえてきそうですね。犬は太古は狩猟の…

パキスタン旅行記13最終回

ガンダーラ遺跡タキシラを後にしてイスラマバードに隣接する町ラーワル・ピンディのバザールを散策した。夕暮れが近づき街にアザーンが響く。 (デコデコバス) 前回話した通り、仏教もキリスト教も、故郷を離れた時に、偶像を拝まないと言うスタイルを脱却…

パキスタン旅行記閑話休題ダ・ビンチ・コード

パキスタン旅行記のガンダーラにてダ・ヴィンチ・コードを例に取りながらダ・ヴィンチ・コードの事を詳しく紹介出来なかった。この作品を知らない方には少々説明不足を感じていたので此処で簡単に紹介したいと思う。(ネタバレ含む) ルーブル美術館の館長が…

パキスタン旅行記12ガンダーラ2

さてギリシャからガンダーラへ彫像を作る技術が伝わり、ガンダーラに仏教が伝達し、其処で両者が出逢ったとき仏像が生まれた。このロマンティックにも感じる仏像誕生の由来は本当なのだろうか?何でも疑問に感じずにいられない私はちょっとこの件を掘り下げ…

パキスタン旅行記11ガンダーラ1

早今回の旅も最終日を迎えた。先ずはパキスタンの首都イスラマバードにあるシャー・ファイサル・モスクを見学した。イスラマバードはワシントンDCやキャンベラ等の様に首都として新しく作られた街であり、街はイスラームの国には珍しく碁盤目状に出来ている…

パキスタン旅行記10ロータスフォート

四泊を過ごしたラホールを後にして本日はイスラマバードを目指す。その途中世界遺産にも認定されているロータスフォートを訪れる事が今日の命題だ。車は順調に西北を目指す。今日も数々のデコトラを追い抜きながら。途中家畜のバザールがあったので寄ってみ…

パキスタン旅行記9ラホール最後の晩餐

行き来た道を戻りラホールに帰ってきた。日の落ちた旧市街のバザールを散策する。この頃のパキスタンの政情からか驚くほど観光客が少ない現状を表してか土産屋を営む店が一軒も無い。何か良いものは無いかと探しているうちに、私の目についたのがサルワール…

パキスタン旅行記8ハラッパー遺跡2

人類が初めて体験した核爆発、それは広島、長崎である事は周知の事実だ。しかしそれを覆す説がある。遥か紀元前に人類は一度核戦争を経験していると言うのだ。 (壺 ラホール博物館所蔵) 広島に投下される前にアメリカ・ニューメキシコ州アラモ・ゴードで行…

パキスタン旅行記7ハラッパー遺跡1

今日はラホールを離れて南に200キロ程走った場所にある世界4大文明の一つインダス文明の遺跡ハラッパーを訪れる。街を出る時工事中もあって大渋滞に巻き込まれたが、それを抜けると畑が広がる長閑な光景を眺めながらの旅になる。道中何度もパキスタン独…

パキスタン旅行記6ワガ国境

街に夕暮れが近づく頃私は街を出て国境へと向かった。ラホールから東に30キロ、ラホールはインドとの国境の街でもある。 イギリスは第二次世界大戦の勝者ではあったが戦争で疲弊し各植民地は次々と独立を目指した。インドもその中の一つであったが、独立に…

パキスタン旅行記5ラホール散歩編2

街を歩いていると声をかけられたり写真をねだられるだけでは無く店の店主から声がかかりチャイを御馳走になる事も屡々だった。その店も別に旅人が興味を示す土産屋では無いほんの庶民の為の生活雑貨店、つまり営業のチャイでは全く無い。ただ何気ない話をし…

パキスタン旅行記4ラホール散歩編1

ムガル帝国の歴史が詰まったラホールの街だけど、歴史遺産ばっかり追っかけるだけでは私の旅は完成しない。もう一つの旅の面白さ、旅の醍醐味はその街の旧市街を彷徨う事!その両輪が揃って私の旅になる。今回はガイドさんに随行して頂いての旅ではあるが、…

パキスタン旅行記3ラホール史跡編2

さて続いてはラホール郊外にあるムガル帝国の遺産を散策しよう。 (リキシャーに乗って出発) 街の北に位置する部分に4代皇帝ジャハーンギールと彼の親族の廟が残されている。そこまでは車では無くリキシャーで向かった。リキシャーとはバイクを改造した三…

パキスタン旅行記2ラホール史跡編1

ラホール城の城門に到着した。ラホールは現インドのデリーとアグラに並び、ムガル帝国の重要な三都市の一つで、それぞれに城が設けられ現在も残っている。アグラとデリーはそれぞれの皇帝が新築しそこを居城としたが、此処ラホール城は3代アクバルが築いた…

パキスタン旅行記1ラホール到着

旅立つ前、久し振りの旅に興奮したのか私は寝付けずにYouTubeで大沢たかおさん主演の深夜特急を見漁っていた。インド・・・特に初回のインドの旅は驚愕と苦労の連続だった。それだけに思い出も深い。小説で深夜特急のインド編を読んだ時、深い共感を感じたの…

心配かけました 帰国しております

お待たせ、ご心配おかけしてごめんなさい。毎度の事ですが全力を出し過ぎたか、帰国の飛行機の中で体調が悪化し休養を取っていました。(私としては帰国まで良く持ちこたえてくれたって感じていますf(^^;)お陰さまで順調に回復中です。 さて、残念な事に旅…

井の中の蛙、旅に出る

この夏以来、洒落にならない怖い話を貪る様に読んでいたのだが、そんな中で妙に感銘を受けた作品があるので此処に紹介したい。 踏み入れるべきではない場所 人の持つ恐怖心、それは生きていく上で必須の能力であり本能とも言える。これを持ち合わせていなけ…

ムガル帝国栄枯盛衰4

父を牢に閉じ込め、6代目の王となったアウラングゼーブ、彼は冷徹でありながら実力も兼ね備えた王である事は間違いなかった。事実彼の死の直前、ムガル帝国の領土は史上最大となっていた。しかし彼はやってはならない事を犯してしまった。それまで続いたア…

ムガル帝国栄枯盛衰3

国が安定すると次に文化が成長する。アクバルの跡を継いだ4代目ジャハーン・ギールは絵画等芸術を好んだと言われる。続く5代目シャー・ジャハーンは建築を好み、デリー、アグラー、ラホール、即ちムガル帝国の重要拠点である三都市にそれぞれ華麗な建築や…

ムガル帝国栄枯盛衰2

ティムールの死後国は一旦混乱するも7代に渡り平穏を保つがその後ウズベクのシャイバニによりティムール帝国は滅亡した。 そしてその後ティムールの血縁バーブルが、モンゴル帝国の末裔、ティムールの血統を旗印にサマルカンド奪還を目指すものの、尽く失敗…

ムガル帝国栄枯盛衰1

さてムガル帝国の歴史を追ってみよう。ではムガル帝国のムガルとはいったい何だろう?その意味はなんとモンゴルなのである。と言う事で場所はインドから遠く離れたモンゴル、時代は遥か遡って13世紀の話をしよう。大陸は繋がっている。時代も繋がっている…

今年の旅が決定しました!

今年の旅が決定しました。行き先はパキスタンです。昨年10年間追い続けたイスラームをテーマにした旅、それがスペインにて終了し、それまで行き残していたと感じていたミャンマーの旅を終え、そして今年8月、遂にパスポートの期限が切れて更新となりまし…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記16

大変お待たせしてしまいました。 では始めます 風に吹かれて~最終回、香港編です ザンジバルから再び途方もない時間をかけて香港まで戻ってきた。ポレポレなザンジバルの時間の中で過ごしていると、香港の喧騒は目眩がしそうだ。早速一夜を過ごす為、重慶マ…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記15

旅の最後はザンジバルのお土産を紹介しよう。アフリカならではの仮面の数々! 中でもマコンダ族の作った髪の長いちょっと怖い仮面が気に入って購入! そしてザンジバルのあるタンザニアはキリマンジャロが聳える。当然珈琲は名産中の名産。そのままでも美味…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記14

朝の漁港でしっかり朝食を摂った後は、元は領事館だったと言う驚愕の家、博物館、古のオマーンが作った砦跡等、定番の観光コースをおさらいした。そして宛もなく再びストーンタウンの迷宮に潜んでいく。 ザンジバルで過ごした数日間、必ず毎日日没直後に計画…

風に吹かれて~閑話休題

前回イスラーム金融と言うキーワードが出てきた。イスラーム金融っていったい何?利息が取れないでどうやって成り立ててるの?なんて疑問も多く聞かれる。今日はザンジバルをちょっと離れてイスラームの銀行の謎に迫ってみよう。 まず銀行の話をする前に大き…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記13

? さて残り少なくなったザンジバルの時間は勿論ストーンタウンの散策にあてる。イスラームの街は何処も同じだが外観は少し粗忽に感じる。それは 「 人に羨ましがられる事は、人に妬みや嫉み等負の感情を与え、育てるものだから避けるようにすべきだ。」 と言…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記12

翌日はこの美味しいシーフードを引き立たせるスパイスツアーに参加した。料理をしない、料理が出来ない私がスパイスツアーに参加して楽しめるのか?そんな疑問もあったが、一方スパイスは先にも述べた通りこの島の歴史を語る上欠かせない要素となったもの。…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記11

これだけ美しい海に囲まれたザンジバルだからシーフードが美味しくない訳が無い。タンザニア本土にはキリマンジャロ登山、そしてンゴロンゴロやセレンゲティのサファリ等観光資源が豊富だから、それらを旅する欧州人も数多い。そんな彼等が帰り道ザンジバル…

風に吹かれて~ザンジバル旅行記10

朝ストーンタウンのビーチを歩いていると、プリズン・アイランドへ行かないか?と誘われた。東海岸の美しいビーチを堪能した直後だから、もう一度海を楽しみたい!と思っていたので是非参加させて貰った。 プリズン・アイランド・・・和訳すれば獄門島。勿論…