風に吹かれて~ザンジバル旅行記13

? さて残り少なくなったザンジバルの時間は勿論ストーンタウンの散策にあてる。イスラームの街は何処も同じだが外観は少し粗忽に感じる。それは

「 人に羨ましがられる事は、人に妬みや嫉み等負の感情を与え、育てるものだから避けるようにすべきだ。」

 と言うイスラームの教えに基づいている。イスラームの女性が髪や体の線を隠すのも美をひらけさせないと言う観点で共通している。此はイスラームが交易から始まった宗教である事に起因している。交易は富を蓄え文化の交流が盛んになる等の長所を持つが、反面貧富の差が生まれやすいと言う欠点もある。

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 だからイスラームは貧富の差が生まれ、それが人々の負の感情を刺激しない様に、特に富の独占を抑制する事を厳しく目を配らせていた。例えば「儲けた者は儲けられずにいる者に施しを与えれば幸せになれる。(喜捨の推奨)」や「金を転がすだけで儲けてはならない。」(利息で商売する事の禁止)等がある。以前我が国で「金儲けの何処が悪い!」「格差社会の何処が悪い!」と嘯いた老い耄れがいたが、イスラームでは彼等は列記とした悪徳なのだ。

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 そんな質素を良しとするイスラームだから建築にもそれが反映されるのだ。だけど洒落心は彼等にもある。だからモスリム達は洒落心をドアに反映させる。中でもザンジバルのドアは有名で、ザンジバル・ドアとして写真集も出版される程だ。

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 そんなドアを堪能したかったなら早起きしよう。何故なら遅くなってしまえば店が開き、折角のドアも開け放たれてしまい拝む事ができなくなるからだ。

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 そして早起きしたのなら是非フングニの漁港まで足を伸ばそう。港に到着した漁船を魚を買い付けに来た商人達が足の踏み場も無いほど集まっている。どんな魚が揚がるかは運次第だが、此処で新鮮な魚を手に入れ、久しぶりの刺身を堪能する日本から来た長期旅行者もいるそうだ。