風に吹かれて~ザンジバル旅行記10
朝ストーンタウンのビーチを歩いていると、プリズン・アイランドへ行かないか?と誘われた。東海岸の美しいビーチを堪能した直後だから、もう一度海を楽しみたい!と思っていたので是非参加させて貰った。
プリズン・アイランド・・・和訳すれば獄門島。勿論それは奴隷貿易の歴史に因む。奴隷として運ばれてきた中でも要注意とされた人達が収監されていた島だ。今ではレストランやホテルが儲けられストーンタウンから気軽に訪れる事が出来る観光施設となっている。島に着けば大きな陸ガメが出迎えてくれる。
奴隷収容所の一角に海を見渡せる場所がある。ガイドは奴隷達のトイレだった場所だと言う。其処からの光景を見て絶句した。多分世界一美しいトイレではあるまいか?そこには哀しい程美しい海が広がっていた。
島の訪問後にはシュノーケリングを楽しめる事になっていた。私は島にある小さな砂浜で楽しむものとばかり思っていたので、ガイド兼船頭が、早くボートに乗り込め!と言った時には、約束を破ってショートカットしやがったなと不機嫌そうにボートに乗り込んだ。
しかしボートはストーンタウンとは反対側に進んでいく。遥か沖合いまで出ると船頭は徐に錨を降ろした。え?今度は私が驚く番だ。「レッツ・ダイブ!」なんとこんな本格的な場所でシュノーケリングを楽しめるとは思ってもいなかった。
しかし若かりし頃はスキューバもやっていた私、いざ潜り出せば最早留まるところを知らない。参加したメンバー達と共に珊瑚礁に逃げ隠れする熱帯魚を時を忘れて追いかけ、そして戯れた。
重厚な歴史を持つストーンタウンから僅かボートで30分でこれだけ美しい自然が残されているザンジバル。その海は珊瑚礁で守られその内側は殆ど波が立つことは無い。本格的にマリンスポーツを楽しみたいと思えば、ドルフィンツアー、スキューバ・ダイビング、そして釣り、どれも世界クラスのマリンレジャーを楽しむ事が可能だ。
ストーンタウンい戻れば波止場では子供達が列を作り次々に、思い思いのスタイルで海へとダイブし、勇敢さを競っていた。ビーチでは泳ぎに徹する者、サッカーを楽しむ者、爆転を繰り返す者、地元っ子達にとってもこの海はかけがえの無い遊び場だ。