シルクロードを西へ!コーカサス編

シルクロードを西へ!コーカサス編カタール・ドーハ2(コーカサス編最終回)

別段目覚ましもかけてはいないが、旅中は私はここぞと言うタイミングで起きる事が出来る。今回も日暮れになる直前に起床する事が出来た。ドーハにはがっついて見歩く程の見所は無い。私はゆっくりとイスラーム美術博物館へと足を運んだ。 ルーブル美術館のガ…

シルクロードを西へ!コーカサス編カタール・ドーハ1

遂に今回の旅もトランジットを残すのみ、今回の旅は往きはヨイヨイ…と言う事が多かったが、トランジットに関しても例外では無く、アルメニア出国もドーハ出国も午前二時頃と言うきついスケジュールとなった。つまりドーハにはまる一日滞在する寸法。しかし…

シルクロードを西へ!コーカサス編アルメニア・エレバン及びその郊外3

続いて訪れたのはゲハルト修道院、ガルニ神殿から程近い此処は神殿周辺同様深く切れ込んだ崖地となっており、その谷底に修道院が建つ。時代を感じさせる岩を利用した立派な礼拝堂が建っているが、更に以前は岩をくり貫いた空間が礼拝堂だったと言う。 ゲハル…

シルクロードを西へ!コーカサス編アルメニア・エレバン及びその郊外2

コーカサス最後の朝が明けた。ツアーが始まるのは未だだが、私は早起きして昨日訪れたカスケードへと足を向けた。そこからはエレバンの街とコンディションが良ければアララト山を一望出来る。今日最初に訪れるホルヴィラップ修道院、そこはアララト山を背景…

シルクロードを西へ!コーカサス編アルメニア・エレバン及びその郊外1

ナゴルノ・カラバフを後にした。ナゴルノ・カラバフ、ゴリス周辺の山間部は相変わらずの曇天と言うより状況は更に悪化して濃霧で一寸先も見えない様な地域もあった。 しかし山間部から下れば今までの曇天がまるで嘘の様に晴れ渡った。途中往きと同じ場所で休…

シルクロードを西へ!コーカサス編ナゴルノ・カラバフ2

到着したナゴルノ・カラバフの首都ステパナケルトはとても昨年紛争を起こした国とは思えない、ごくありふれたアルメニアの地方都市と言う風情の街だった。人々も大勢大通りを歩き、先に訪れたゴリスより活気があった。但し旅人にとっては、これと言って別段…

シルクロードを西へ!コーカサス編ナゴルノ・カラバフ1

宿の支配人に見送られ私はこの地方を訪れた、もうひとつの目的地へと向かった。其処にはラチン回廊と呼ばれる山道を抜けていく。嘗ては激しい戦場となった場所だ。やがてマルシュルートカはパスポートチェックを行う検問所の前で停まった。此処から先が目指…

シルクロードを西へ!コーカサス編アルメニア・ゴリス

宿の支配人にタクシーを呼んで頂きタテブ修道院へと向かった。タテブ修道院はアルメニアで一番美しいと評判の修道院だ。修道院とは修道僧達が修道生活を送る場所でもあり、勿論彼等が生活を送る場所以外に礼拝堂も併設される。そこが教会と異なる点で、仏教…

シルクロードを西へ!コーカサス編アルメニア・ゴリスへ

一夜開けると素晴らしいサンライズが私を出迎えてくれた。昨晩迄水害に足止めを喰らっていたとは信じられない光景だ。更に窓越しからアルメニアの心の拠り所ともなっているアララト山がくっきりと私を出迎えてくれた。今回の旅の中で一番鮮明に見れた瞬間で…

シルクロードを西へ!コーカサス編アルメニアへ

いざ、いや、漸くコーカサス三国最後の訪問国となるアルメニアを目指すべく寝台に乗り込んだ。出発は夜の10時16分、アルメニアの首都エレバンには朝7時半頃到着予定だ。とっても良い時間帯。だと言うのに丁度眠くなるだろう日付が変わるタイミングにジ…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリ5

ヘリコプターは飛び立った。シャティリに訪れていた観光客は欧州系のグループのハイカーさんが多かった事もあり、単独で訪れていた私や韓国人、ポーランドの彼は地元民と一緒に第一便での搬送となった。乗客全てに安堵の笑みが溢れる。ヘリコプターはそんな…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリ4

運命の朝が訪れた。晴れ間が見える。昨日に比べれば上々だ。これならヘリコプターはやって来る。私は小さく握り拳を作ってベッドから飛び起きた。我々はこの二日間、旅費を温存する為軽食しか摂っていなかった。相部屋の韓国人が遂に根を上げ朝食を頼んだ。…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリ3

7月7日、再び断続的に雨が降る一日となった。カッパを着て現状視察に赴いた。土砂崩れの現場はいつの間にかブルドーザーが整地してくれていた。しかし、しかしである。目の前には全く喜べない状況が広がっていた。否、その光景は喜ぶどころか我々を絶望の…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・閑話休題2

眠れない夜は物思いが止まらない。此処シャティリの北に聳えるコーカサス山脈。山脈を越せばチェチェン共和国だ。日本人でもこの国の名は聞いた事がある人は多いと思う。国の名が冠されているものの、この国もまた非認証国家だ。チェチェン共和国の他にもコ…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリ2

「昨夜の大雨により崖崩れが発生し道路が遮断された為マルシュルートカは走れないんだ。」 一瞬呆気に取られたものの、こうなってしまったものは仕方無い。そうしている内に旅人は続々と集まり、マルシュルートカ二台分程も集まってしまった。事の重大性を把…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリ1

要塞に突入したいのをグッと堪えて、先ず要塞の全貌を眺めた。要塞は二つの川が合流する、急峻な崖の斜面に沿って建てられている。 現在ですら十数戸の小さな村だから、要塞の規模はそれほど大きなものでは無い。だが塔状の住宅が寄り添うと言うより、合体し…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリへ2

チャチャで気分は上々になり、マルシュルートカはワインディングロードをひたすら下っていく。とあるカーブを曲がった瞬間髭生やしたオッサンが急坂を駆け上がってきた。まさか山賊! 「出、出たあ!」 思わず叫びそうになったが、良く考えれば今時棒切れ一…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・シャティリへ1

8月5日遂にシャティリへ向かう日が訪れた。シャティリへは水曜と土曜にトビリシから、木曜と日曜にシャティリからのマルシュルートカがある。と言うか週に二本しかマルシュルートカがない。つまり水曜出発して木曜の帰りの便に乗り遅れたら日曜迄帰って来れ…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ムツヘタ2

ジュヴァリ聖堂から降り、ムツヘタで一際目立つスヴェティツホヴェリ大聖堂に向かった。この聖堂にはキリストが磔にされた時着ていた上衣の一部が埋められていると信じられている。その埋められている地中から生えた杉を使って聖女ニノが此処に木造の教会を…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・閑話休題1

さて、ムツヘタ・スヴェティツホヴェリ大聖堂を紹介する前に、簡単にジョージア人が信仰する正教会について説明したいと思う。日本ではキリスト教と言えばカソリックとプロテスタントが有名だが正教会はそれほど知名度が無い。東京ならお茶の水のニコライ堂…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ムツヘタ1

本日はジョージアの古都ムツヘタを訪れる。先日紹介した温泉を発見しトビリシを築いたゴルカサリ。彼がトビリシを建設以前の首都がムツヘタだ。政治的中心が移された後も、キリスト教の総主教座はこの地に留められ、ムツヘタはジョージア人の信仰の中心であ…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・カズベキ

漸くツアーバスがカズベキ村へ到着した。バスを降り、風景を見上げた瞬間私は思わず歓声を上げてしまった。カズベキ山が見える!先人の旅行記でも見れず終いの旅人が多かったカズベキ山、山は朝早くに見てこそナンボなところもあるから、これまでツアーメン…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・カズベキへ

今回訪れるカズベキ迄はジョージア軍用道路と呼ばれる道を行く。名前の由来は19世紀に帝政ロシアがコーカサスに侵軍する為に整備した道だからだ。が、平和が訪れれば、その道中の美しさで有名になり、今となってはジョージア随一の見所となっている。 (ジ…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・メスティア~

往きは寝台列車で楽々だったが帰りは時間が合わずマルシュルートカで一気にトビリシまで戻る。乗り合いバスで約9時間の移動は結構シンドイ。今こそ平和なこの道も、先に述べたアブハジア紛争当時はアブハジアからの難民等が隣接するこの地域に流入し、治安…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・メスティア

彼女が伝えたかったメスティアの素晴らしいところは具体的には解らない。だけど自分なりに調べ訪れてみる事にする。メスティアにもウシュグリ同様復讐の塔が林立している。 しかし塔のある風景ならウシュグリで存分に見てきた。だからメスティアに幾つも設け…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ウシュグリ3

翌日起きると昨晩通り過ぎた雷雨が嘘の様なド快晴。声が出てしまいそうな位感動する。 跳ねる様に起きて昨日感動した場所へと向かう。 ウシュグリは往きはヨイヨイ帰りは…だ。人が集まらなければ車は出ない。メスティアへは早めに帰りたいので午前のなるべく…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ウシュグリ2

それにしても長閑過ぎる風景に圧倒された。嘗ての血塗られた因習の塔も、今ではこの美しい風景の引き立て役に過ぎない。アルプス、ヒマラヤ、美しい雪山は世界中、いや日本にだってある。だけどこの塔がある風景は世界で此処だけだ。 そうこうしている内に村…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ウシュグリ1

まるで壊れたジェットコースターの様な車の旅が終わり、漸く私はウシュグリ村へと到着した。同乗の旅人の大半は2時間の滞在時間で日帰りする様だが、バスから覗いた車窓と予想以上に天気が回復した事から、態度を保留していた私は一泊する事を決断。マルシ…

シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ウシュグリへ

熱々の風呂を頂いて、再び寝台列車で西へと向かう。次の目的地はウシュグリ村。標高2200M、ヨーロッパの定住村としていは一番標高の高い場所に位置するコーカサス山脈の麓の村だ。この村は絶景の村として有名であるだけでは無く、復讐の塔が建ち並ぶ、風景の…

シルクロードを西へ!コーカサス編jジョージア・トビリシ3

ナリカラ要塞を徒歩で降りてきた界隈は、モスリムが多く暮らす地域でモスクもある。そんな地域にモスクのドームが連なった様な建物が密集している。ハマム街だ。ハマムとはイスラーム式の風呂で、トルコ等一般的にはサウナ風呂タイプのものが多いが、温泉の…