シルクロードを西へ!コーカサス編ジョージア・ムツヘタ2

 ジュヴァリ聖堂から降り、ムツヘタで一際目立つスヴェティツホヴェリ大聖堂に向かった。この聖堂にはキリストが磔にされた時着ていた上衣の一部が埋められていると信じられている。その埋められている地中から生えた杉を使って聖女ニノが此処に木造の教会を建てたのが、この教会の由来で、その時杉から流れ出た聖油が多くの人々の病気を癒したと伝えられている。この謂れが「生きた柱」を意味するスヴェティツホヴェリと言う日本人が舌を噛みそうなこの大聖堂の名の謂れとなっている。

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 この大聖堂はジョージア最古の聖堂で、トビリシにツミンダ・サメバ大聖堂が建てられるまで最大の聖堂でもあった。聖堂の周囲には銃眼が施された城壁が施され、嘗ての紛争時には城塞の役割を果たした事を物語っている。ジョージア人はキリスト教に敬虔であり、教会が見えると十字を切るが、教会を後にする時、後ずさりしつつ十字を切りつつ教会を出る。だから、教会に入ろうとした時、後ずさりするジョージア人とぶつからない様に要注意だ。

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 大聖堂の周囲は広々とした造りとなっており、土産物屋が並び、日本の有名寺院の周囲の様にツーリスティックな雰囲気たっぷりな場所となっている。街は欧州に良く見受けられる橙色の瓦屋根の家が連なり、基本平屋が多く、ゆったりとした間合いで建てられているので、何処か高級住宅街の雰囲気すら漂っている。街の何処からでも一際高い丘の上に建つジュヴァリ聖堂を見上げる事が出きる。

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 街には観光用の馬車も待機しているが、ムツヘタは小さな街、馬車が無くても十分街歩きを楽しめる。ゆっくりと街歩きを楽しんで再びトビリシに戻った。ウシュグリ、カズベキと遠方の旅先が立て続けだったので、近場のムツヘタは体を休める良いチャンスだ。この頃大好きな旅であっても、自分の頭で考えている旅程に体が言う事を聞いてくれなくなってきた。

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(シオニ大聖堂・トビリシ)
 トビリシでは大好きになった温泉に浸り、先日訪れきれなかった場所を巡った。先日何やら礼拝があったのが大勢の人で埋め尽くされていたシオニ大聖堂は、先のスヴェティツホヴェリ大聖堂に継いでジョージアの総主教座が置かれた大聖堂。今はツミンダ・サメバ大聖堂にその座を譲ったものの、歴史を経てきた重みもあり、此方の内部の方が圧倒的に存在感を感じた。

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 トビリシの旧市街の歩いていない部分を散策してみる。アゼルバイジャンでもそうだったが、街の至るところにユーモラスな銅像を見つける事が出きる。そればっかり被写体にしても面白いかもしれない。銅像ばかりでは無く、建物も風変わりなものが多い。こちらは人形劇の劇場の建物。歪んでいる(笑)

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 ジョージアは今まで見てきた通り、牧畜が盛んな国、これだけ牛がいて、乳製品が摂れるのだから、乳製品をまるで主食の様に食べる。ロシアの影響もあって、ピロシキの様な日本で言う惣菜パンも結構種類が豊富なのも嬉しい。そんな中、ジョージアにはハチャプリと呼ばれるパン料理がある。チーズが入っているジョージア風ピザとも形容される。そんなハチャプリの専門店があったから入ってみた。

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 ハチャプリの中でも西部ジョージアのアチャラ地方のハチャプリ、アチャラ風ハチャプリを食して見た。独特の形状のパンの上にチーズとバターと卵を乗っけたコッテコテの料理。日本人ならスモールサイズで十分ギブアップな量だが、コッテコテなだけあって腹が膨れるから旅には持ってこいな料理だ。専門店だけあって、そうした料理が元からあるのか、それともこの店の創作か解らないが、他にも野菜をふんだんに乗っかったハチャプリもあり、珍しく通ってしまった店となった。

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 また、ジョージアではまってしまった飲み物がある。レモネードだ。でもレモネードとは言っても我々の言うレモネードでも無ければレモンさえ一滴も入っていない。炭酸ジュースだ。洋梨のものが一番ポピュラーでとても美味しい。色はまるでメロンソーダ。味も同系統だが、一捻りあって病み付きになる。

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昔、南の島の原住民が地酒を鶏の羽を使ってかき回して飲んでいた事から、酒に他の酒や飲み物をブレンドして新たな飲み物を作る事を、鶏の羽、即ちcook  tail が由来となってカクテルと言う言葉が出来たと言う。いったいジョージアのレモネードは何故レモネードと呼ばれる様になったのか?