シルクロードを西へ!コーカサス編カタール・ドーハ2(コーカサス編最終回)

 別段目覚ましもかけてはいないが、旅中は私はここぞと言うタイミングで起きる事が出来る。今回も日暮れになる直前に起床する事が出来た。ドーハにはがっついて見歩く程の見所は無い。私はゆっくりとイスラーム美術博物館へと足を運んだ。
 
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 ルーブル美術館のガラスのピラミッドのエントランスを設計した人物と同一人物が設計したイスラーム美術博物館はイスラーム特有の幾何学的美意識をモチーフにしたお洒落な外観を持っている。内装もまた洗練されたものがあった。
 
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 また、イスラーム文化圏各国にはそれぞれ博物館があるが、こうしてイスラーム圏全体をテーマとした博物館は未だ珍しい存在なので、イスラーム文化全体に興味を持つ私にとって、この博物館は非常に見応えのある博物館であり、通常余り旅中で博物館や美術館に時間を割く事の余り無い私であるが、此処では時間をたっぷり取って見学した。
 
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 見学後は此れも異例ではあるが、普段なら敬遠する高価な博物館付属の喫茶でたっぷりと注がれたカフェモカを頂きながら、これまたたっぷりと時間をかけて暮れ行くドーハの港の風景を、キンキンに効いたエアコンの中で楽しんだ。
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 見渡すドーハの港からは日没に合わせた様に何艘ものダウ船が同じ方向を目指して進んでいく。いったい何処に向かうのだろう?
 
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 日没と共に私は博物館を後にし、スーク・ワキーフに私は向かった。日中は疎らだった人影も、いったい何処から沸いて出てきたのか?と驚く程の人手に驚いた。日中暑過ぎて活動出来ない分、カタールの人々は日が暮れると、それを待っていたかの様に活動を始める。
 
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 そんな活気に包まれながら、私は数少ない地元料理を出す店でビリヤーニを頼んだ。飲み物は勿論ファンタ・イチゴ味だ。昼に比べれば驚く程の人出ではあるが、カタール問題の真っ最中の中、観光客は少な目の様で、スークを歩けば店員の方が目についた有り様ではあった。
 
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 スークを後にして気になっていた港へ向かう。日中は寂しそうに感じた真珠のオブジェも今では地元の若者達の待ち合わせ場所なのか多くの若者に囲まれている。ドーハ版忠犬八公とでも言えようか?
 
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 更に港を目指せば、私の疑問は自動的に解決した。「観光ダウ船に乗らないか?」と勧誘を受けたのだ。しかも少し思案顔をしていると価格は自動的に下がっていった。勿論断る術は無い。もう下がらないと思ったところでお願いをした。
 
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 しかし他に乗客は無し、詰めれば2~30人は乗れそうなダウ船に乗客は私一人、ちょっと船頭さんに申し訳なくなった。船は私が先程目で追っていたコースを辿ってドーハの港を一周する。向こうには午前中に暑さで苦しめられたSFチックな高層ビルが色とりどりのネオンに照らされ輝いていた。
 
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 世界一退屈な街と言われるドーハ。しかし私は全く退屈などしなかった。いやいや、これからどんな発展を遂げていくのかと想像すれば興奮さえ感じる。確かに目指す方向性が近くのドバイに似過ぎている点、その分比較すればドバイには未々及ばない部分ばかりが目立ってしまう傾向にはある。
 
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 しかし街としての伸び代は未々無限大にこの街にはある。始めはドバイの模倣から始動して、ゆくゆくは違った個性を見つけていくに違いない。幸いドバイと共に様々な旅のディスティネーションへのトランジット先であるドーハにはいずれ訪れる事になるであろう。その時のドーハの変容ぶりが今から楽しみだ。
 
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 今回はアゼルバイジャンのバクーにて、近未来的な街の光景で始まって、終わりもまた近未来的な高層ビルの光景が印象的なドーハの街で締め括る事となった。勿論その道中様々な歴史を堪能する事が出来た。途中大雨により足止めを喰らった事も今では大きな思い出となっている。今回も旅の神様、そして旅で出会った全ての人々、そしてお付き合いして頂いた訪問者の皆様、全てに感謝しつつ今回の旅を締め括りたいと思う。
 
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ありがとう!