モーリタニア旅行記その3アマトリッチ砂丘へ

 さて遂にモーリタニアの旅が始まった。首都ヌクアショットを出れば、いや首都の中でさえもう砂砂なのである。国土の大半がサハラ砂漠に属している珍しい国でもあるのだ。

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 エジプト、チュニジア、モロッコ。大抵の観光客がサハラ砂漠を体験しようと言うとこうした国になる。しかしそれらの国には地中海沿岸の街があり、そこは地中海性の温暖な気候で雨も降り、緑もある。だから昔から文明が生まれ都市が成長した。その他サハラ砂漠を有する国々も、そうしたサハラ砂漠以外の部分があり、そこに国の中心となる街がある。しかしモーリタニアにはそれがないのだ。ヌクアショットもごく最近首都として建造された街に過ぎない。

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 とは言っても現在では内陸の中心となる街までは舗装された。しかしツアーは途中の小さな街で給油を済ませると敢えてダートに突入する。お昼は途中の村のスペースを借りて頂いた。トイレ休憩は青空の下。女性が多いツアーだけれども、皆様こうしたツアーに参加される様なメンバーは慣れたものだ。

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 日本人は砂漠と言うと砂一色の世界を想像してしまうものだが、実は砂一面と言う砂砂漠は広大なサハラ砂漠でもほんの一部に過ぎない。他に土が中心となる土漠、岩がゴロゴロと広がる轢漠、そしてそれらの組み合わせだ。モーリタニアもコロコロとそれらが移り変わる。砂漠だけならタイヤのエアを抜く事で安定した走りが出来るけど、こう道路のコンディションが変わると運転の技術も相当求められると言うものだ。

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 移り変わる車窓のダイナミックな光景を楽しみながら、ちょっとした岩山で車を降りて眺めを楽しんだ。そんな矢先ガイドさんが何かを見つけた。私が恐れていたもの…。サソリだ。何故か女性メンバーは堂々としていたが、私はオッカナビックリ。いや見た目が怖い訳では無い。今晩こんな奴がいる場所でテントを張って寝るのが恐いのだ。

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 サソリはその見た目と逸話等から非常に恐れられている生き物だが、実は毒性が強いものは少ない。そして蛇等の様に大きくも無く、人を積極的に襲う事は無いので、ある意味スズメバチよりも安全な生き物なのだが、実は此処で見つけたサソリは例外で、別名デス・ストーカー。非常に俊敏かつ獰猛で刺されると死に至る事もあると言う。ヨーロッパにも同類のサソリが生息するが、砂漠で生息するタイプは餌が乏しく一撃必殺を求められるので毒性が強いのだと言う。これを知っていたら写真撮ってる場合じゃ無かった?

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 そんなサソリに怯えた場所からそう離れていない場所に、モーリタニアでも最大級の砂丘が広がるアマトリッチ砂丘に向かい、アオウジャと呼ばれる場所でテントを張る事になった。

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 柔らかい砂に足を取られながらひとしきり砂丘を楽しむ。ツアーメンバーが降りた後も独り砂丘に登り、暮れゆく砂丘を楽しんだ。静寂が辺りを包む。ずっと昔、モロッコを発った旅人達もこんな砂丘を越えて旅を続けていたに違いない。おっと下界を見れば中心のテントの脇のテーブルが賑やかになってきた。夕食を食べ損ねない様に下界に降りよう。

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 夕食も済みサソリが入らぬ様に靴をテントに仕舞い一寝入りした。夜半テントから出て用を足しに行く。満月とはいかなかったが月が煌々と砂の大地を照らしていた。

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また逢えたね!デザート・ムーンライト!モロッコで見た懐かしい光景が脳裏でダブった。何処かでジャッカルの遠吠えが聞こえた。

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