モーリタニア旅行記10大西洋到達

 ベニシャブ砂丘の夜が明けた。

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 平成最後の朝焼けもまた、約束されたかの様に美しい朝焼けだった。この旅で風紋がある本格的な砂丘は此処が最後。心残り無い様に早起きしてもう一度砂丘を散策した。

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 その後我々を乗せた4WDはひたすら西を目指した。途中小さな村を通り抜け、井戸で生活用水を補給し再び西へ。

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 そんな先に辿り着いたのは大西洋。ひたすら砂漠が続く大地を走り抜けて来たので目前に広がる海の青さにただただ感動する。

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 海辺の村は漁師の村。モーリタニアの人々は殆どが遊牧民出身なので、漁村はセネガル系の人々が主体だ。セネガルやマリの人々は原色の使い方がとても上手い。そんな色使いが船の柄にも良く表れている。

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 そこから波打ち際を4WDは北へ北へと疾走した。波打ち際を疾走する。

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 映画なら良くある光景だが、実際となると結構非日常的体験だ。車に驚いて飛び立つカモメやペリカンも愛らしい。

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 途中幾つか砂丘を越えて、一際小高い砂丘で我々はこの旅最後のキャンプを張った。砂丘の眼下には紺碧の大西洋。さすがツアー、サハラ砂漠をこれでもかと堪能した後に大海原を見せてくれるとは芸が細かい。

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 そんな砂丘から海を眺めたり、ガイドさんが入れてくれるミントティーを楽しんだ後、我々は漁村を訪問した。漁村にビッシリと並べられているのはなんと蛸壺。

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 モーリタニア人は蛸を食べない。(ユダヤ教イスラームは戒律から鱗の無い魚は食べない。)だが、此処の海は蛸が豊富に捕れる。だから産業の少ないモーリタニアの為に日本人技術者がモーリタニア人に蛸壺漁を教えた。

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 最初こそ中々根付かなかったが、商業的価値が浸透し、今では東欧を始め蛸を食べる文化のある国々から需要が急増。日本のスーパーで売られている輸入の蛸は殆どがモロッコモーリタニアが占めている程となった。

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 蛸が日本とモーリタニアを繋いでいるのだ。

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 そんなこんなで漁村で時間を結構使ってしまった。

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 漁村での夕景も素晴らしかったが、やっぱりあの砂丘の高台から投げめたい。

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 焦る私を他所のドライバーさんは途中キャンプの必需品を見つけては所々で寄り道をするのでハラハラさせられたが、すんでのところで砂丘に到着。

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 静かに、穏やかに、平成最後の陽が暮れていく。感無量だった。勿論その後は漁村で手に入れた蛸をご馳走になった。こうして平成最後の年越しは大西洋の波音を聞きながらテントで過ごす事となった。

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