ペトラ遺跡ファザード通り

 エルハズネ神殿を右に峡谷を進んでいくと、ちょっとした登れそうな箇所があった。ご丁寧に「登ってはいけません」と看板が立っている。と言う事は何かある。そして多くの人が登ったと言う事。勿論危険だからと言う場合もある。そして遺跡保護の場合もあるので従うのが本来の事。しかし私は胸騒ぎがした。馬鹿と煙と旅人はそんな箇所はすぐ登ってしまう習性がある。狭い岩肌を登って見れば感動が待っていビックリした。それは映画でも使われたアングルではないか!しかし私が眺めたいのはもっと高い場所。聳え立つシクの天辺から神殿を眺められる場所がある筈なのだ。これを探す事が今回のインディのミッションだ!

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(映画より)

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(筆者撮影)
再び本来のルートに戻る。この道はファザード通りと呼ばれ両側にナバテア人の墓や住居跡が残っている。住居跡は自然に出来たものと判別がつかないほど素朴なものだ。もしかすると彼等は元々放牧民だったのでテントで暮らしていたのかもしれない。それに比べ岩壁に掘られた墓所は立派な造りだ。古い時代の墓はピラミッド、タージ・マハール、アンコール・ワットいずれも生前の住居よりずっと立派なものだが、古今東西南北問わず、現世より来世を豊かに過ごしたいと言う切なる願いは共通するものなのかもしれない。何処か切なく感じた。

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ファザード通りを抜けると四方を岩山に囲まれた途方も無い広大なスペースに出る。シクと言う狭い通路からは想像もつかない程のスペースに呆然となる。人里離れた隠れ里に壮大な遺跡が残る・・・まるで伝説の遺跡そのものの立地だ。

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(大寺院跡)
そこに数々のローマ遺跡が残されている。此処ペトラも例外無くローマの植民地となったのだ。円形劇場、列柱、大寺院跡・・・これまで見てきたローマ遺跡とフランチャイズなので同様の造りだが、ペトラの岩の色は他と違うので異なった印象を受ける。ペトラは交易路から外れて衰退したところ大地震に見舞われその歴史から姿を消し、隠れ里の様な立地故に現世まで伝説の都市として語り継がれた。