ペトラ遺跡エルハズネ神殿

此方を聞いて気分を盛り上げお読みください(笑)

 何故ペトラは交易で栄えた街なのにこの様な秘密基地の様な立地に築かれたか?それはこの都市を築いたナバテア人のルーツに秘密がある。ナバテア人はアラブ系の遊牧民族が起源だが、彼等はこの地に移り住んで以来、交易の隊商を襲ったり、隊商の通行の安全を警護してその報酬を得たり、つまり現在の日本のヤクザ的な商法で利益を得ていた民族の様だった。

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 しかし彼等も交易がもたらす金銀財宝に目が眩んだか?それとも真っ当な生き方に目覚めたか?その真意は解らないが彼等自身が交易を行う様になる。金銀財宝を手に入れると遊牧生活なんてやっていられなくなったのだろう。しかも金銀財宝を手に入れればそれを保管しておく場所が必要となり、遊牧の様な移動を伴う生活は難しくなる。そして定住の場所を探すに当たって、元盗人の様な事をしていた彼等は、何処に定住の場所を求めれば、襲われ難いか熟知していた筈だ。それがこんな立地に交易都市を彼等が築いた理由なのだろう。

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 そんな岩の割れ目を歩くこと30分強、それまで歩いていた観光客が立ち止まり一斉に上を見上げている。遂にあの場所に辿り着いたのだ。映画でインディ親子も見上げていたあの神殿。エル・ハズネだ。思わず私も見上げ、そしてため息をつく。我々はこれがあると知ってこの長い峡谷を歩いてきた。しかし此処を探検しそして発見した探検家はこの光景、感激の度合いは計り知れないものがあったに違いない。

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 映画ではこの中に様々な仕掛けが施された聖杯を守る部屋があったが、実際は何も残されていない。それが故色々な説が残るが未だハッキリとした事は解っていない。だから神殿と言うのもその壮麗な建築からそう呼ばれているだけであり、実際は墓所だったと言う説が濃厚らしい。ギリシャ建築を基本にローマ、エジプト、ペルシャ等様々な様式の影響がミックスしナバテア様式と言う独自の様式を作り上げている。そしてこの神殿を彫り上げた岩盤は太陽光線の度合いによって様々な色合いに変化し、訪れる度に異なる景色を見せてくれる。

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 入り口から此処まで歩いて1時間。しかし此処は遺跡の未だ壮麗な序章に過ぎない。