ペトラ遺跡プロローグ

此方を聞いて気分を盛り上げお読みください(笑) 

アンマンに一泊し待ちに待ったペトラ遺跡に向かう。アンマンを過ぎると車窓からは緑が徐々に消えていき、やがて月面の様な景色となる。途中ドライバーの好意でショーバックと呼ばれる遺跡に立ち寄った。砂山の上に聳える城塞跡でパリュミラ遺跡にあったアラブの砦を彷彿させるが、此方は十字軍が築いた砦跡だが、サラフ・アッディーンの碑文も残されているのでアラブ軍に奪取されたのだろう。

イメージ 1



遺跡に車が近づけば私の脳裏に高らかにインディ・ジョーンズのテーマが鳴り響く。私はこの映画シリーズがたまらなく大好きだった。主人公がムキムキのヒーローでは無く教授ってところも好きな理由だ。教授と言っても知的なだけでは無く肉体も精神も屈強な男で、自分の目指すものへはどんな苦難が待ち構えようと乗り越えていく。この映画を観る度に冒険心が駆り立てられた。

イメージ 2


(映画より)
北海道の大学時代、シリーズ三作目の最後の聖戦がヒットしていた。大の仲良しの先輩をシニアに祭り上げ、二人でインディ・ジョーンズごっこに夢中になった。北海道の秘湯を探検しまくった。その名も最後の温泉と銘打って。あれは知床のカムイワッカの滝へ行った時の事。滝壺の温泉に二人入っているところ、どうも下流が騒がしい。双眼鏡で覗いてシニアー!と大騒ぎ。なんと観光バスが大勢の観光客を連れてきたではないか!着替えようにも既に遅し、なんだか微妙な雰囲気に包まれて温泉に浸かった猿の様
な気分を味わった。

イメージ 3


(借用)
何はともあれ、インディ・ジョーンズの熱烈フリークの私にとってペトラ遺跡は大の憧れだったが、当時はそこに行けるなんて思っても見なかった。それがあともう少しの場所まで来ている。ホテルにたどり着き部屋にバッグを投げ出すと休む暇もなく坂を下った。

イメージ 4



ペトラの最寄りの街はワディ・ムーサと呼ばれる坂の多い街。高級ホテルは遺跡に近いが私の泊まれる様なホテルは坂の遥か上。でも見下ろす景色は豪華なホテルに泊まっては味わえない。私は鼻唄で高らかにインディ・ジョーンズのテーマを歌いながら坂を降りる。街の人々から「インディアナ・ジョーンズ!」と声がかかる。この街の人なら誰しも此処がかの有名な映画のロケ地だと知っている。インディ!と声をかけられてテンションマックス状態で遺跡の入り口に到着した。