マンダレーヒル サンセット

?雨の多いミャンマーらしく登山路は全て屋根で覆われているから暑い日中でも快適なのだが、仏教に敬謙なミャンマーでは登山路も聖域なので靴は疎か靴下もアウトだ。雰囲気的には高尾山と言ったところか?高さはそれの半分以下だと感じた。

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?お土産屋さんが軒を広げる参道の階段を登ってゆけば、一息つくタイミングの場所には必ず黄金の仏像がおいでまし、人々は参拝を重ねながら頂上を目指す。

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 頂上に登る頃待っていた様に陽が沈んでいく。この旅を占うかの様な夕陽に熱い、熱いものを感じた。日没を見終え山を下る。途中自動車で来た人々と合流するポイントでまた聞き覚えのある男の声がした。なんと言う奴だ!此処まで追いかけてくるとは?

「今日はもう陽が沈んだからオシマイだよ!降りは楽だから必要無い。」

「いやいや明日の事だよ!」

 彼はなんとスマホを駆使して説明する。マンダレー近郊は歴史的に多くの王朝が遷都を繰り返してきた由緒ある地域で日本で言えば京都、奈良近辺と似ている。これをバイクタクシーで一気に駆け抜けてしまうと言うのが人気のコースらしい。

 之にはちょっと興味を持った。最初は行けないと踏んでいて諦めていたからだ。しかしそれに行ってしまうとマンダレーの他の見所に行けない。どうしよう?この場では値段も含め決められ無いので情報だけ頂いて、暮れ行くマンダレーヒルを一気に降りた。

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 彼はなんと再び王宮の門で私が戻って来るのを張っていた。「せめてホテル迄でも仕事をおくれよ!」こちらも色々教えてくれたし乗りも良いのでホテル迄ならと思ったのだけど、この執念深さだと、泊まってるホテルが割れたら最期私がマンダレーを後にするまで付き纏われ兼ねないと思い直し、御免と一言添えて彼と別れた。

 他のこの先の道程でもしつこく売り付けてくる物売りはいた。それは貧しい国としては当たり前の事だ。こちらは物価の超越した国からやって来た異星人の様なもの。なんとか家の為にも!と考えれば私がもし彼等の立場なら蹴られてでも引きずられてでも「買ってくれ!」と叫ぶかもしれない。

 しかしミャンマーでは、しつこいタイプはほんの少数派で「いらない!」と言うとアッサリ引き下がる人も多く、しつこいタイプでも後腐れ無い人が多かった。「じゃあね!」って言ってくれる様な・・・

 確かにちょっと胸は痛むが、自分が相手に可哀相だからと言う気持ちを感じたなら私は絶対その商売に乗らない。それは相手を愚弄した行為だしそれはきっと前回書いた事の結果に繋がると信じているから。私は自分が本当に必要としているものにしか金は払わない。

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 ホテルに戻り早速ガイドブックを引っ張り出し情報を纏めた。マンダレーも見所を見逃すのは勿体ないがやっぱり三都市周遊の魅力が勝った。はにかみ屋のフロントにコチラの言い値で連れて言ってくれる運転手を探して貰った。

 結局彼は必要な情報を提供してくれたのだが、私は情報だけを盗んでしまった事になる。ちょっぴり心が痛んだが値段の話となればそれは別物だ。