モーリタニア旅行記8アタールへ

 モン・エデルグの夜が明けた。勿論その足で砂丘に登る。夕焼けと共に朝焼けも砂丘を美しく彩ってくれる。西と東は反対だから、当然風紋に出来る影も反対に起きる。だから朝と夕では風紋も彩りが変わる。

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 ひとしきり砂丘を堪能して我々は西へと進路を進める。

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 先日訪れたサハラの目が今回の旅のターニングポイントだ。最早我々は折り返し地点を回って帰国の為に首都ヌアクショットを目指している。

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 昼過ぎにアタールに到着した。アタールはモーリタニアの内陸部の中心となる街だ。シンゲッティやウアダンが衰退すると、それらの街から移住する人、遊牧を捨てて移住した人々が加わりモーリタニアでも大きな都市となった。

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(砂漠で良く見かける草の花、でも実には毒がある。)
 我々もモーリタニア到着以来初めて街らしい街を訪れる事になった。昼食後、夕方のバザール見学まで、ツアーメンバーはホテルで長旅の疲れを癒す事となったが、私は一人でその間街を散策した。

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 質素な土壁の平屋が並ぶ街並み、天井付近の壁からニョキっと突き出した雨樋はトンブクトゥを散策した時を思い起こす。西アフリカ独特の街並みなのかもしれない。

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 街には子供達が遊ぶ姿、今夜のディナーにされてしまうかヒヤヒヤだろう山羊、そして今も現役の荷車を背負わされた驢馬、そんな姿に溢れている。そんな光景は世界共通の筈なのだが、この頃日本の路地裏ではあまり子供がはしゃぐ姿を見かけなくなった。

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 特段何の見所がある訳では無いが、やっぱり街のぶらり歩きは楽しい。夕刻ツアー・メンバーとバザールに出掛けた。モーリタニアで初めて見る人混みでもある。モーリタニアでは観光業が盛んでは無い為、観光用の店は殆ど皆無だ。旅人慣れしていなく、どう売って良いかも解らない部分もあり、こうした国にありがちなしつこい売り込みも見かけない。

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 旅人もそれほど興味を引く物は無いのだが、市場で売られたフランスパンは絶品だ。これは旧フランス領だった事に因む。ベトナムしかり旧フランス領で食べるフランスパンは日本のより美味しい。

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 バザールで喧騒を味わった後ホテルに戻る。今日は三日ぶりのホテルに泊まれる。筈なのだがアタールは街なので蚊が発生する可能性があるとして、テント型の蚊帳が支給された。

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 やっぱり今日もテント泊だね(笑)なんて冗談を言いながら、今日もまた美しい夕陽を眺めて一日が終わった。

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