シルクロードを西へ!トルコ編カッパドキア

 コーカサスの旅で、最後に訪れたアルメニアの首都エレバンで私はアルメニア人の心の拠り所、アララト山を眺める事が出来た。
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 だがそこはアルメニアでは無くトルコ領、と言う訳で長く続けてきたシルクロード旅行記も遂にトルコの旅を紹介する時が来た。私がこの旅行記の終着駅にしようと決めているイスタンブールを前にもう一つ、トルコ旅行では欠かせないカッパドキアを紹介したいと思う。
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(向こうに見えるはカッパドキアの奇景を造り上げたエルジェス火山)
 カッパドキアはトルコ中央部のアナトリア高原に広がる奇岩地帯だ。火山噴火により体積された火山灰の柔らかい地層が時の経過により削られていき、まるでキノコが林立する様な不思議な景観を作り上げた。
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(スリー・シスターズ)
 また古くはローマ帝国によるキリスト教の弾圧から逃れたキリスト教徒が、この地方に隠れ住んだと言われる。
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 やがて時代が変わればイスラーム勢力が台頭、今度は彼等はイスラームから逃れる為にこの地に隠れ住む事となる。
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(地下住居)
 彼等は火山灰で出来た削れ易い地層を利用して地下都市を造成。それは地下8階にも及ぶものがあるから、太古に起きた核戦争のシェルターだったのではないか?との風説が起きる程だ。
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 またこの奇岩を利用した石窟寺院や修道院の住居が残り、数々の美しいイコンも残されており、この世界的にも珍しい自然景観と歴史的背景から数少ない自然、文化複合世界遺産に認定されている。
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(妖精の煙突)
 現在では奇岩を利用したホテルや気球による観光、トレッキング等カッパドキアは様々な楽しみ方がある。
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(ラクダ岩)
 街と言い、郊外と言い様々な場所に奇岩が立ち並び、その一つ一つに観光地ならではのネーミングが施されている。スリー・シスターズ、妖精の煙突と言った具合だ。
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(愛の谷)
 とある場所でこの地域の名前はラブバレーであると教わった。日本語で言えば愛の谷だ。どうしてそう名付けられたのか?と尋ねれば、岩の形を見れば良いと答えが返ってきた。彼も言葉にはしづらかったのだろう。言葉にしてしまえばロマンの欠片も無くなる。皆様は答えが解っただろうか?
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(ローズ・バレー)
 私がカッパドキアを訪れたのは晩秋の頃だった。街にはポプラの並木が多く、嘗て私が暮らした事がある札幌の気候に何処か似ていた。
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(ローズ・バレー)
 さて、そんなカッパドキアにもキャラバン・サライが残っていた。キャラバン・サライは隊商宿。日本風に言えば道の駅的にシルクロード沿いの街毎に設けられていた。遂に次回はこの旅の最終目的地イスタンブールを紹介しよう。