シルクロードを西へ!ウズベキスタン編サマルカンド3

 レギスタン広場を後にして、ミナレットの上から眺めたヒビ・ハニム・モスクを目指した。その道はバザールへと続く道でもある為、地元の人々が世話しなく行き来していた。シルクロードを代表する移動手段の驢馬車も健在だ。行き交う人々の肌の色も目の色も、交わす言葉さえマチマチだ。さすが東西文化の十字路と言われるだけの事はある。

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 ヒビ・ハニム・モスクは嘗て世界最大のモスクだったと言われる。ティムールがインド遠征からの凱旋を記念して、ティムールの妻ヒビ・ハニムが建造させた事から彼女の名がモスクの名となった。

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 ウズベキスタンの建築物には伝説が付き物となっている。しかしそのどれもがシェルドル・マドラサの建築家が自殺したと同様、建築家の死に纏わる話が多いのも特徴だ。

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 このモスクに携わった建築家はヒビ・ハニムに密かに恋をしていた。そして彼女からモスク建築を頼まれた時、一度で良いからキスをしてくれと彼女に迫った。モスクを作る為ならとその話に承諾した彼女だったが、彼女のキスマークは何をしても消える事無く、凱旋したティムールにそれが知れる事となり、建築かは…。と言った内容だ。

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 しかし夫の凱旋に間に合わせる為急ぎ過ぎたか、大き過ぎたか、モスクは徐々に崩壊し、幾度かの地震により廃墟と化してしまったと言う。現在では外観こそ修復されたが、内部は過ぎ去った時の流れをそのままに感じる姿を残している。

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 その先にはサマルカンドの台所、ショブ・バザールが広がっている。バザールの熱気で活力を貰い、バザールの食堂で腹を満たした。中国のシルクロード同様うどんに野菜炒めをぶっかけたラグメンに此処でも出逢えたが、中国のものよりふんだんにトマトが使用されている事に特徴がある。味も何処と無く西洋に近づいた印象がある。

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 出されるお茶は二種類ある。コク・チャイと呼ばれる緑茶とカラ・チャイと呼ばれる紅茶だ。基本砂糖は使わない。これより東に行けば緑茶になり、これより西に行けば紅茶になる。こんな部分にも東洋と西洋の狭間を実感する事が出来る。

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 どんな料理を頼んでも添えられるウズベキスタンの主食はナン。しかもサマルカンドのナンはウズベキスタンでも美味しいと評判で飛ぶ様に売れていく。アラブのナンより肉厚で食べ堪えがある。