シルクロードを西へ!ウズベキスタン編サマルカンド1

 サマルカンドのホテルはロシアが築いた新市街にあった。新市街らしいまっすぐな大通り。逸る気持ちで急ぎ足で旧市街へと向かえば、その入り口にティムールの座像が出迎えてくれた。サマルカンドは彼が造った、彼の大好きな蒼がふんだんに使われた蒼い街だ。

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 旧市街に入って先ず見えてくる蒼の建物がグル・アミール廟。ティムールとその親族の廟だ。ティムールは生前、彼の故郷であるシャフリサーブスに埋葬される事を望み、更に墓は名を刻んだ石だけで良いと言い残していたそうだが、彼の取り巻きにとってはそれでは済まされなかったのだろう。

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 私が廟内に見学に入った直後、大型のバスが廟に到着し団体が降りてきた。「運が悪いな。」これではのんびり見学出来ないと私は感じた。暫くして大勢の人々が引率されて廟内に入ってきたが何だか様子がおかしい。団体は一般のツアー客では無くイスラーム聖地巡礼団だったのだ。

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 途端廟内は神聖な雰囲気に包まれた。彼等は廟内を囲む様に座る。出るのに遅れた私は仕方無く彼等同様腰を下ろせば、なんと私の横に座った老人が独特のコブシで説法を詠い始めるではないか。

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 運が良いのか悪いのか?私はグロムから頂いたイスラーム帽を被っていた。東西の文化の十字路サマルカンドでは歴史的に様々な民族が此処を通り抜け、混血が進んだ。その結果様々なDNAを受け継いだ人々が今に暮らす。そんなサマルカンドイスラーム帽を被った私は、巡礼団の一員に紛れ込んでも気づかれなかったのだろう。

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 見よう見真似で老人の動作と共に両手を恭しく天に掲げお祈りを済ませた。一連の儀式が終わり、彼等はバスに乗り次の巡礼地へと向かう。私はこっそり集団から離れた。バスの中では師匠の隣でお祈りしていたあの青年置いてきちゃったんでは?と騒いでいたのではないだろうか?