シルクロードを西へ!ウズベキスタン編序章2

 私がウズベキスタンを旅するに当たって心配だった事は、ソ連と言う共産主義国家に長らく支配されていた影響がどれだけ残っているかと言う点だった。慇懃無礼な接客、汚れきった傲慢な公安。退廃した雰囲気の暗い街、そこに暮らす抑圧された人々。私は共産国家や元共産国家に共通するそんなところが苦手だったから。

 最初の晩泊まったホテルが何処と無くそんな雰囲気で私をナーバスにさせた。朝食は粗末な洋風、ウエイトレスはロシア人の無愛想なオバチャン…。そんな雰囲気を一網打尽にしてくれたのが駅まで送迎してくれたドライバーのグロムだった。

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 今回の旅は空港や駅から街までの送迎とホテルは事前に依頼しておいた。そのドライバーのグロムはベースこそヨーロッパだが、色々な要素が入り込んでいて一見では何処の国籍か判断しようの無い無国籍な顔立ちをしていた。非常にハイテンションな男である。

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 会社からのプレゼントですとウズベキスタンイスラーム帽を頂いた。ウズベキスタンイスラーム帽はカラフルで刺繍が凝っていて可愛らしい。気に入ったので すぐさま頭に乗っけて助手席で話に盛り上がる。途中で車はもう一組の日本人の旅行者を乗せて駅へ向かった。

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(写真は引用です)
 ウズベキスタンの首都タシュケントから列車に乗って最初の目的地サマルカンドへ向かう。駅で車を降りてグロムに見送られ列車に向かうと、日本人のカップルが驚いた風に私に言う。

「日本人だったのですか?」

 どうやら私がグロムから貰ったイスラーム帽を被って助手席にいたものだから、現地の旅行社の人物と勘違いした様だ。雰囲気もそっくり溶け込んでいたから解らなかったそうだ。

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 旧ソ連ならではの武骨な列車に乗り込みサマルカンドを目指した。車内を見渡せば、ロシア人風な顔立ちの人、中国人的顔立ちの人、色が黒いのはタジキスタン系の人だろうか?はたまた全くルーツが解らない人、様々な人々が乗車している。サマルカンド世界遺産の名前には東西文化の十字路と言う言葉が添えられているが、正にそれを実証するかの様な車内の風景に興奮を覚えた。楽しい旅になりそうだ。