2006エジプト旅行記5

 ハンハリーリ・バザールはカイロ旧市街の中心に有り観光客の土産物からカイロ市民の日用品まで揃う巨大な商店街だ。

バザールを歩けば其処ら中から変なアクセントの日本語で声がかかる。

バザールでござーる!」

「価格破壊!」

バザールは喧騒で正にカオスな状況だ。私はこの状況に血がたぎってきた。この感触は何処か懐かしい感触。そう、これはインドで味わった感触。インドと言えば、私を旅の深みに引き摺り込んだ国、あの時の高揚が今再び私を包み込んでいる。

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後に調べて見れば、押しが強く灰汁も強い、バックパッカーを悩ます難敵トップ3はインド人、モロッコ人、そしてエジプト人だと言う。勿論治安が悪く、犯罪が多いと言う訳では無い。したたかで、押しが強い彼等に気の弱い旅人はトラウマを抱えてしまう旅人もいる。しかし一方病み付きになってしまう旅人も多い。私は間違い無く後者である。

ではいったいどうしてわざわざ面倒な旅に嵌まってしまうのか?私自身にもそれは良く解らない。でも一つ明確に言える事は、何もかも順調、快適に旅が進み、綺麗な見所ばかり巡る事が旅ならば、人生を棒に振ってまで旅に打ち込まなかったと言う事。

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第三ヵ国の旅は時に、いやいつだって思う通りには進まない。悔しい事、頭に来る事、考えさせられる事、!マークの連続。だけど恵まれているとは決して言えない環境の中で、健気に、そして逞しく、雑草の如く強かに生きている連中とやりあいながら旅を続けていると、何故だか旅が人生の学びの場にさえ思えてくる。酸いも甘いも噛み分けて、そんな旅の瞬間、生きていると感じるからこそ私は旅に全身全霊で立ち向かっているのかもしれない。

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そして、そんな彼等との再会に、時に大声を出して笑い、時に大声で怒鳴り、揉みくちゃにされながらバザールを巡った。さてあんまりうつつを抜かしていられない。幾らフリータイムが多いとは言え時間は限られている。私が日本のエジプトツアーが上記の三点セットを見ただけでカイロを素通りしてしまうのは余りにも勿体無いと言うのには理由がある。

世界各地に歴史的建造物が残る旧市街が点在するが、その殆どが特定の時代の建造物に集中しているのが現状だが、此処カイロの旧市街には様々な時代の建造物が残されているのが大きな特徴だ。だからまるでイスラーム建築の生きた博物館の様な街なのだ。さてカイロ旧市街を歩いて見よう。