2006エジプト旅行記1

 2006年に訪れたエジプトの旅の話をしよう。05年にベトナムカンボジアの旅で久し振りに旅を再開する事が出来た私は、その時訪れたアンコールワットの美しさに魅了され、それまで余り訪れる事の無かった遺跡に非常に興味を持つようになった。また、9・11以来一方的に悪者呼ばわりされ続けるイスラーム圏の国々にも旅人として自分の目で確かめて、自分なりの意見を持ちたいと言う想いもあった。遺跡、イスラーム圏、その二つの要素が合わさっているのがエジプトだった。

 エジプトへの旅は我が人生唯一の団体ツアーで訪れた。大抵日本のツアーは見所鮨詰めの忙しいツアーが殆どなのだが、何故か行程がスカスカのツアーを見つけたのだ。これならアクセスの悪い散在する遺跡も効率良く巡れるし、豊富にあるフリータイムで単独で街歩きも楽しめると読んだのだ。

 但しツアーに対して不安もあった。私が大の苦手とする団体行動に於ける不自由を我慢するのは仕方無いとして、アジア等経済的に貧しい国々を旅する日本人に時折見かける、第三ヵ国の貧しい人々を小馬鹿にする程度の低い旅人、そんな連中がツアーに混じっていたら、きっと私は我慢が出来ないだろう…

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(引用)
 そんな一抹の不安を抱えてツアーは出発した。カタールのドーハを経由して、古びた風情のカイロの空港に到着、一向はカイロ郊外のピラミッドも程近い、ギザに位置する某有名高級ホテルに到着した。余りにも暑くて観光客が減る真夏のシーズンで料金体系が安くなっているのかもしれないが、毎度虫が出そうな安宿ばかり使っている私にとっては逆に居心地が悪く感じる程のゴージャスな宿だ。この価格帯でこのホテルは大勢で一辺に宿泊する団体ツアーならではの利点ではある。

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 そこでツアーをご一緒するメンバーと初めてゆっくりとした顔合わせとなった。当初の心配は他所に、行き先が遺跡中心となるエジプトだけあって、メンバー全員目的意識がハッキリとした旅好き達で、これなら楽しい旅になりそうだった。新婚さんとツアー慣れしてそうな女性を覗いて全員私より高齢の夫婦であったり、おば様の友人同士。添乗員さんによると、実はこのツアーがスカスカな日程の理由は、酷暑の時期でもあり、年配の旅人に優しいゆったりとしたペースが売りのコースだった様だ。

 何はともあれ、そのフリータイムの多さに惹かれてこのツアーを選んだ私。さて明日はいよいよ。エジプトと言えばこれを抜きにしては語れないピラミッド見学なのである。