ブルネイ旅行記6
本日の朝も朝市のオバチャンの屋台のナシチャンプルで一日が始まった。屋台のオバチャンも私の顔を覚えていてくれた。屋台の猫も私の顔を覚えていてくれた。ナシチャンプルしか無いけどそれで良い。それだけで良い。
昨日指定された場所からスピードボートに乗船して密林を見学しにウル・トゥンブロン国立公園へ向かった。渡し船同様猛スピードで駆け抜けて行く。
水上集落を抜けるともう其処にはマングローブが生い茂る密林が両側に迫る。一旦マレーシア領に入り、すぐブルネイに戻って、左右に大きく蛇行するブルネイ川を遡っていく。
途中で車に乗り換え基地となるエコビレッジに到着。其処から更にロングボートに乗って川を遡った。此処からはエコガイドが私を案内してくれる。聞けばなんと19才の愛らしいエコガイドさん。彼女と共に目的地でボートを降り、鬱蒼とした密林に分け入って散策を楽しむ。ブルネイのあるボルネオ島はオランウータンや天狗猿の住居でもあり、アマゾンと並び世界でも有数の原生の密林を残す貴重な場所だ。
彼女に説明を受けながら鬱蒼と繁るジャングルを散策し、帰り道小さな小川を遡るとこれまた小さな滝があった。彼女が滝壺に入ってくださいと言う。靴を脱いで恐る恐る滝壺に入る。振り向くと彼女がちょっと悪戯っ子的な笑みを見せた。
「あ!?」
水が濁っていて中は解らないが、無数の何かが私の足に群がって、私の足を突いている。こそばゆくて堪らず声を立てる。後ろでガイドのお姉さんが悪戯っ子的に笑いながら教えてくれた。この魚は人の古い角質を食べてくれる魚でフィッシュスパとして人気がある魚らしい。
こうしてジャングルクルーズと散策、フィッシュスパを終え、エコビレッジに戻り、ランチを摂った後はエコビレッジのハンモックで一休み。一休みをしていると、昔読んだトム・ソーヤの冒険單を思い出した。
(フィッシュスパの滝)
一休みした後彼女に見送られ、再びロングボートに乗り込みバンダル・スリブガワンの街へと戻った。派手な見所こそ無いが、大自然を満喫出来、リラクゼーションに満ちたツアーだった。ガチガチのエコレンジャーでは無く、地元を愛する素朴な少女がガイドしてくれたのもとても良かった。
天然ガス、石油等の豊富な地下資源に加え、手付かずの原生林、ブルネイの豊かさの側面を知る一日となった。震災後、需要が増した天然ガス。ブルネイは算出する殆どの天然ガスを日本に輸出している。知名度こそ低いが、ブルネイと日本は切っても切れない重要なパートナー同士の国でもある。