風に吹かれて~ザンジバル旅行記7

 パラダイスビーチバンガローの魅力はさおりさんの料理にもあって、宿泊客以外も集まると言う。和食もあるので長い旅路を過ごす日本の旅人にはたまらない持て成しとなるだろう。しかし私は悩んだ末バンガローが主催する現地スワヒリ料理体験コースに挑戦する事にした。勿論私が料理するのでは無く、現地の家庭を訪れ現地の料理をご馳走して頂くと言うものだ。

イメージ 1



 バンガローから近隣の村まで従業員に先導されてポレポレと歩いていく。子供達がサッカーに夢中になる広場の向かいの何の変鉄も無い質素な民家。その土間?台所?でオバチャンの料理を拝見し、時にお手伝い(邪魔)をしながら料理が出来るのを待つ。

イメージ 2



 民家には勿論ガスは通っていないのでご飯を炊くのもオカズを調理するのも炭火が使われる。何処の南国でも共通しているが、此処でもココナツの実が珍重される。海に囲まれた小さな島は海水は豊富でも真水は貴重だ。だからココナツ等に含まれる水分を利用し料理に使われるのだが、ご飯を炊くのにもココナツの汁が活躍していたのには驚いた。

イメージ 3



 ご飯が炊けるのを待つ間、集まってきた子供達にねだられて撮影大会。ザンジバルはモスリムが殆どの為小学生以上になると女の子はベールで髪を覆い、カメラには顔を伏せてしまうが、それ以下の子供達は世界共通、澄ました顔は最初だけ、二枚目以降は有らん限りの変顔を作ってはデジカメのモニターを見ては大ハシャギの連続。満面の笑顔を見せてくれる。

イメージ 4




 出来上がった料理はシーフードカレー。カレー粉はふんだんに使われるが辛味はそれほど無い。素朴だが美味しい料理だった。しかし余りにも大量に出来上がったので、絶対残さない私もギブアップ。しかしどうやらそれが正解だった様だ。早速子供達が御馳走に群がっていた。きっとこの村でこの料理はご馳走に違いない。お客様が到着した日はご馳走にありつけるチャンスなのだろう。兄弟にしては人数が多かったが、それを知っている親戚の子供達が集まってきたのかもしれない。

イメージ 5



 夕食が終わり再び従業員に先導されバンガローに戻る。今度は浜辺を歩いた。超遠浅のビーチは引き潮になると驚くほど潮が引き広大な砂浜となる。砂浜は超きめ細かく小麦粉の様で歩きやすい。遥か彼方の珊瑚礁が防波堤となり波ひとつ立たない穏やかな浜辺を歩いた。

イメージ 6



 空を見上げれば恐ろしい程の星空、特徴あるヤシの木がバンガローに到着した事を教えてくれた。翌朝、目覚ましもかけずに夜明け前に起きた。そっと外に出ればイスラームのシンボルの様な三日月と明けの明星が輝き、月光がまるで階段の様に漆黒の海に輝いていた。

イメージ 7



 やがて水平線が赤く染まり、徐々に、そして劇的に色を変えながら太陽が昇っていく。それは幻想的で神々しい一瞬だった。

イメージ 8