風に吹かれて~ザンジバル旅行記3

 ビーチでこの島を吹き抜けていった様々な風に想いを馳せ、ふと振り返れば珊瑚と砂を利用して出来たストーンタウンの迷宮が口を開けている。さて名前通り重厚な歴史に彩られた重厚な街並みを散策しよう。

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 一歩迷宮に踏み込めば、其処は明らかにアフリカ大陸の街並みとは違う事を実感する。石造りの2~3階建ての建築がビッシリと建ち並び迷宮を作り上げている。それはまるで中東の何処かの街を歩いているかの様だ。街行く人々も男性はオマーン帽、女性はブイブイと呼ばれるベールで髪を覆っている。高齢の女性はアラブと同じく顔までベールで覆う女性も多い。正真正銘イスラームの街なのである。

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 ストーンタウンにはこれだ!と言うアイキャッチは存在しないが、この迷宮を散策する事自体が楽しい街でもある。迷宮に張り巡らされた道は各所で交わり大きな辻と小さな辻を形成する。小さな辻にはキオスクがあり子供の遊び場兼駄菓子屋となっている。

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 大きな辻は大人達の社交場。そんな辻にはタンザニア原産のコーヒーショップがあるが、ザンジバルはスパイスの交易で一時代を築いただけあってコーヒーにもふんだんにスパイスが使われる。オマーン帽を被った大人達がスパイスコーヒーをチビりチビりやりながら道端に腰掛けてポレポレ(スワヒリ語でのんびりと)とした時間を楽しんでいる。

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 彷徨い続けているうちに角を曲がれば其処はモロッコのフェズや中国のカシュガル、はたまたイエメンのサナアであってもおかしくない様な気になってくる。建材やそこに住む人々が違っても、街の作りはイスラーム式に乗っ取った迷宮と言う事で繋がっている。その共通点から来る安心感だろうか?作りを把握しているからだろうか?私はどのイスラームの街を歩いてもデジャブの様な安心感を感じる。

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 ただストーンタウンの特異なところをあげるとするならば、その迷宮を抜けると紺碧の美しいビーチが広がる事だ。重厚な街の散策に息切れを感じたら、ビーチに出て深呼吸をして再び迷宮へと潜っていく。そんな事を繰り返してストーンタウン散策を楽しんだ。