The boys of summer

 今年の夏は中途半端に終わってしまった様に感じる。一頻り暑い日々が続いたかと思うと、長雨が唐突に夏を持ち去ってしまった。

夏と言う季節は特別な季節だ。これ程季節の終わりが切なく感じる季節は他に無い。日本にも山下達郎氏の「さよなら夏の日」や「あの花」のテーマソングとしてカバーされた「シークレット・ベース」等夏の終わりを歌った歌が多いが、これは世界でも共通する様だ。今日は夏の終わりに聞きたくなる私の思い出の曲を紹介したい。

Don Henley

The boys of summer

Nobody on the road
Nobody on the beach
I feel it in the air
The summer's out of reach

通りに人影はなく
ビーチにも誰もいない
漂う空気に最早夏が手が届かない場所へ去ってしまった事を知る

Empty lake, empty streets
The sun goes down alone
I'm driving by your house
Though I know you're not home

誰もいない湖、誰もいない道端
太陽さえ孤独に暮れてゆく
私は君の家へと向かう
もう其処に君がいないとは解っているけど・・・

But I can see you
Your brown skin shining in the sun
You got your hair combed back and your
Sunglasses on baby
I can tell you my love for you will still be strong
After the boys of summer, have gone

だけど私にはハッキリとその光景が目に浮かぶ、君の褐色の肌が太陽の陽を浴びて輝いていた事
髪を後ろにとかしてサングラスをかけていたよね
君に伝えよう。今も君を強く想ってる。夏の浮気な少年達が海を去った今でも

I never will forget those nights
I wonder if it was a dream
Remember how you made me crazy
Remember how I made you scream
Now I don't understand
What happened to our love
But babe I'm gonna get you back
I'm gonna show you what I'm made of

私は決してあの夜を忘れない
あの夜は夢だったのか?
覚えてるかい?君が如何に私を狂おしくさせたか?
覚えてるかい?私が如何に君に甘い吐息をたてさせたか?
私は私達の愛に何が起きたか解らないけど、私はきっと君を取り戻す!私がどんな男かを証明して見せるんだ!

I can see you
Your brown skin shining in the sun
I see you walking real slow
Smiling at everyone
I can tell you my love for you will still be strong
After the boys of summer, have gone

君の姿が目に浮かぶ。君の褐色の素肌が太陽の陽を受け輝いていた。
君はゆっくりと歩みながら回りに微笑みかけていたね。
私は夏の少年達が過ぎ去った後も君を強く想い続けてる。

Out on the road today
I saw a deadhead sticker on a cadillac
A little voice inside my head said:
"Don't look back, you can never look back"
I thought I knew what love was
What did I know?
Those days are gone forever
I should just let them go but,

ある日Dead Headと書かれたステッカーを貼ったキャデラックが中古車として売り出されていた。
私の脳裏に囁く声が聞こえる

「振り向いちゃいけない!決して振り向くな!」

恋愛なんて解っていると思っていたけど、私は何を解っているつもりだったのか?
あの時はもう決して戻らない
どうしようも無いとは解ってる。だけど・・・

I can see you
Your brown skin shining in the sun
You got the top pulled down
Radio on baby
I can tell you my love for you will still be strong
After the boys of summer have gone

ハッキリと目に浮かぶ、君の褐色の肌が陽を受けて輝いていた
オープンカーの幌を開けてラジオを聞いていたよね
夏の少年達が過ぎ去った後も、私は君を愛している。狂おしい程

I can see you
Your brown skin shining in the sun
You got your hair slicked back and those
Wayfarers on, baby
I can tell you my love for you will still be strong
After the boys of summer, have gone

太陽の陽を受け君の肌が輝いている光景が目に浮かぶ
ウェイファーラー(レイバンのサングラス)をかけて髪をたなびかせていたね
私は君に伝えたい。私の君への愛は変わる事無く強いままだよ。
夏の少年達がそこから過ぎ去った後だって

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楽曲は此方より

夏が過ぎ去り、一夏の恋が終わっても、それを忘れられずにいる少年を歌い、切なさの中にも男の哀愁やカッコよさを秘めて、1984グラミー賞でベスト・ロック・ボーカルに選ばれた名曲だ。

前回の記事で、この曲はヘンリーのイーグルスに対する忘れ難い心情を歌った歌だと紹介したが、勿論ヘンリーの事、一つの歌に様々なテーマを含めている。

曲の途中に日本人には馴染みが薄いので難しい部分があるが、結構重要な部分なので解説を加える。

dead head sticker on a cadillac

と言う部分だ。これは当時アメリカで一斉風靡したバンド、グレイトフル・デッドと言うバンドのファンがキャデラックにDead?Headと言うステッカーを貼って乗り回す事が流行っていたそうなのだが、ブームも一段落した頃、ヘンリーは中古車屋に、このステッカーが貼られたキャデラックが売られている風景を目の当たりにし、時代の終焉を感じたと言う。

この歌には過ぎ去っていくあらゆる事象に対しての惜別と言うテーマが隠されている。それは夏と言う季節、恋、青春、流行、そして時代・・・。しかしそれは別れであると共に新しいそれぞれの季節の訪れであるとも言える。

ヘンリーはその移ろいゆくものの中で、変わらなくちゃ!と言う覚悟をこの歌の深い部分に託したのでは無かろうか?しかし決して変わらない事・・・

それは君への想い。

今年も夏が終わり、新しい季節が訪れようとしている。今年の夏は良い思い出が作れたか?そして新しい季節に向けて準備は整ってるか?

夏が過ぎてゆく・・・

PS 二回に分けてドン・ヘンリーの曲を紹介したが、ネットで検索していて驚いた事に、この9月に15年ぶりの彼のソロ、新作が発表されるとの事。導かれたかな?ローリング・ストーンズミック・ジャガー氏も参加しているそうでとても楽しみだ。