雨の台北

?ミャンマーに別れを告げ私を載せたチャイナエアラインは寄港地台北へと飛び立った。行きにも感じていたがこのエアラインは異常に機内を冷やす。それがサービスだと思っているのか?途中私は薄い毛布にくるまりガタガタと体を震わせていた。え?そんなの私だけ?もしかして?

 降り立った台北はシトシト雨が降っていた。どうやら私の滞在中天気は回復しない様だ。ミャンマーで私は体力は勿論運まで使い切ってしまった様だ。

 ホテルに向かう車窓から眺める台北の街のネオンはセブンイレブン三越に・・・東京の新宿の裏手なんかよりずっと東京の景色に似てた。ホテルに辿り着けば日本語で出迎えられ宿泊客も殆どが日本人の様だった。何なんだ?此処は・・・部屋に入ると倒れ込んだが、最後の力を振り絞って私は一番近い寧夏夜市へと向かった。

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 物凄い人だかりに驚いた。もう身動きが出来ない程。負けてられない!少し気力が回復した。やっぱりこうした地元の賑わいは力をくれる。

 翌朝味噌汁付きのビュッフェを頂き雨の中市内の見所散策へ。私は歴史的見所が好きなのだが、台湾は大戦後に中華民国が本土から疎開して出来た国なのでそれらに乏しい。定番スポットを巡るが雨空では空が白く潰れて良い絵が出来ない。またテンションと共に体調もダウン気味だ。

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 こうしてはいられない!コンビニで現地の元気ドリンクを購入。そのいかがわしいラベルでHP少量回復!作戦を変えて、郊外の九分に行く事にした。バス停は長蛇の列。でもシェアタクシーに流れた人も多かったので2台目に乗ることが出来た。

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 九分、複雑な入江を持つ海に面した急斜面に街がある坂の多い風情ある街。それだけで十分観光要素があるのだが、それに加え台湾、日本、それぞれにとって重要な映画の聖地巡りとしての重要な場所となっている街。

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 台湾人にとっては誰もが知り台湾人のアイデンティティとして重要な映画となった非情城市と言う映画の舞台となった街であるそうで、日本人にとっては宮崎駿監督の千と千尋の神隠しの湯婆婆の館とその街のモデルになったと言われる。

 そんな訳で到着すれば人、人、人、同じ数の傘も加わり狭い道は物凄い事になっていた。まるで夜市と一緒だが夜市は活気が必要だが、こうした風情を楽しむ街にはそれを打ち消してしまうくらいの人の数。

 押される様に歩きながら例の石畳の坂道に辿り着く。小さな街なのでそれ程時間はかからない。折角なので湯婆婆の館が茶館となっているのでお茶を頂く。晴れていれば絶景の茶館だ。しかし300元(900円)と言う値段に飛び跳ねそうになった。ぼったくり過ぎだろ!

 まぁお茶の入れ方を手ほどきして頂き、相当飲める事に気づいた。これは十分粘れる。でも数回飲むと手ほどき等忘れ机をビシャビシャにしながら自分流で飲んでしまう。どうやら茶道は私には向いていない。

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 こんな天気で良い絵を作るなら、空の白さが無くなる暮れの時間しかない。茶館でその時を待ち千と千尋の世界観を写真に納め(もみくちゃになりながら)台北へ戻った。

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 今晩の夕食は台北一と呼ばれる士林夜市で過ごした。

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