タマヤンジー寺院の亡霊2

?彼に言われた事を心に刻みながら、解らない時は自転車を降り、歩いて道を確かめながら、キチンと右に曲がる道を確認してから私は右に曲がった。その時また何か感じたんだ。再びチャンネルが変わる様なあの感覚。

私は感覚だけだけど、それを信じて自転車に跨がって全速力で駆けた。私の感覚、いやそれを言うなら彼の言葉は正しかった。メインストリートを走る車の音がする。直にライトも見えて来た。そうあの道を右に曲がればニャンウーに戻れる。

メインストリートに戻ると私はそのままの勢いでニャンウー目指して自転車を漕いだ。気温が下がったバガンで何故か私は汗ばんでいた。今のは一体何だったのだろう?あの時道を間違えたのは確実だ。でもその原因を作ったバイクの運転手も遺跡で夕陽を眺めていた風では無かったし、それ以上に私が困り果てたそのタイミングで現れた謎の現地人は一体誰だったのだろう?特に二度目の男女は明らかに普段着では無かった・・・

もしかするとタマヤンジーの亡霊が私を異次元の。いやバガン王朝の時代に私をおびき寄せてしまったのかもしれない。もしグッドラックじゃなかったら私は今頃何処を彷徨っているだろうか?飛び切り焦ったが飛び切りロマンチックな夜だったのかもしれない。

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翌朝は再び朝焼けを目指してシェーサンドーへ向かった。薄紅色に染まった空が日の出と共に真紅に染まる。再び感動を味わい今回は宿に引き返す。バガンからちょっと離れたホッパ山へ向かう為だ。

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シェアタクシーで向かったホッパ山はミャンマーでも珍しい山岳リゾートがある地域。と言っても半日観光の我々が向かうのはその懐に聳えるタウン・カラッと呼ばれる奇岩だ。まるで塔の様に聳える奇岩の上に恒例のミャンマーの黄金の仏塔が聳えている。

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日本でもヨーロッパでもミャンマーでも、この様な奇岩は信仰の対象となるらしい。此処もマンダレーヒル同様屋根付きの参道が続き777段の階段を登り切れば山頂に到着だ。此処が余所と違うところはナッ神と呼ばれる神が仏と一緒に奉られている事。此処はその中心地でもあるらしい。

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此処には何処でも参道に付き物だが猿が厄介者だ。やはり此処も聖域だから階段全て裸足で登る。昨日の踏ん張りが効き過ぎたか足の裏に幾層にも豆が出来歩くのがしんどい。

やはり頂上からは絶景。そしてそこで出逢ったナッ神の銅像達。みんな何処か愛嬌のあるオッサン達。ナッ神とは地域色の強い精霊信仰で、昔非業の死を遂げた人物が多く神になっている。仏教とは融合しており、何処か日本の神道と仏教の関係に似ている。

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(貴方は未曾有の元総理では?)
バガンに戻り再び自転車に跨がる。最早体力は使い果たした。見るべきものは見た。(by平知盛)もう無理はしない。もう一度みたい物件や、途中で発見したパヤーを見つつ夕陽を望むべくBulethi パヤーへ向った。

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そして迎えたバガン最終日の夕陽も、それはそれは美しく、燃える様な影絵を描きながら山水画の世界へそして漆黒へ。大丈夫、今夜の舞台はメインロードのすぐ脇だから。

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