旧ユーゴスラビアを旅する完全版+マケドニア・オフリド編2

  良い事して気分が良くなって天気も良くて、宿に着いたら丘の頂上のサミュエル要塞と言う城塞に近い事が判明したので早速其処に登っている。でただただ溜め息。

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 青い空、オレンジ色の瓦屋根の絨毯、そして青い湖。オフリド湖バルカン半島で一番水深が深くヨーロッパで一番古くからある古代湖だと言う。大きな深い湖であるが透明度が高い事でも有名。街の歴史の重要性は前回述べたが、湖もまた綺麗なだけじゃない。二つ合わせて複合遺産。知らない国に、未だ凄いところがあるんだなぁ。と惚れ惚れしながら彼方此方眺めていると、おやあんなところに可愛らしい教会が!と言う事で坂を降り教会に向かう。

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 そして辿り着いた教会、聖パンテレイモン教会。ブルガリア帝国の首都として繁栄したオフリド。首都としての時間は短かったものの、帝国が滅びた後も宗教の中心として栄え続けたそうで、実に365の教会があったと言う。それにしても可愛いデザイン。カソリックの教会はゴシック様式とか、建築様式には惚れ惚れするが、いざ祈るとなると威圧感が強過ぎてその気にならない。私は鏡の様な性格なので威張られると、こっちも威張り返したくなる。一方正教会の教会にはその刺々しさが無くて渡は好きだ。相手に刺がなければ自分の刺も抜けると言うもの。

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 更に坂道を下っていけば、オフリドを紹介する時必ずや写真として紹介される聖ヨヴァン・カネオ教会に辿り着いた。いやぁー昨年のコーカサスにも美しい湖畔に佇む教会があったけど、此処もまた息を飲む。水のある所に人が暮らし、人が暮らすところに教会が建つ訳だから、湖畔に教会がある事は別段不思議な訳では無いけれど、教会建てた人センスには惚れ惚れする。世界の湖畔の教会って写真集作ったら売れるだろうと思う。

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 ひとしきり教会と湖を眺めたら、今度は崖に沿って旧市街へと戻る。崖に沿って波の無い湖ならではの木造の歩道があって、ちょっとおっかなびっくりしながら旧市街へと向かう。

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 旧市街は要塞への斜面に広がるから坂が多くそれが街の風景を引き立てている。流石365の教会があったと言われるだけあって大小数多くの教会が残されている。坂道を下り、雰囲気ある通りを抜けると湖畔の街の中心に出る。

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 其処からは新市街の賑やかな大通り。土産物屋が軒を並べる。そしてその終わりの広場では何やら子供達の出し物が披露されていた。

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 その広場の片隅にはモスクがあって、イスラームのあるところ安食堂が集まるのはこの通りだ。その一軒で夕食を摂って、翌日はボートに乗って対岸の聖地スベティ・ナウムを訪れた。

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 船首のデッキに集まった面々は皆陽気、特にオランダから来たアニメから飛び出してきた様なオジチャンは性格も想像通り。楽しいひとときを送れた。

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 スベティ・ナウムにはその名の通り聖ナウム教会(マケドニア語でスベティは聖)があり、この地にキリスト教を伝えた聖ナウムの教会だと言う事だ。

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 確かに美しい教会なのだが、これだけを見る為にはるばる湖を渡ってきたのか?帰りまでの時間まで時間を持て余すなぁと思っていると、地元の人にとってスベティ・ナウムは聖地であると共にリゾートでもあったのだ。

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 オフリドでさえリゾート感たっぷりなのに、更にそこからまたリゾートに何故向かう?と思えば皆ビーチで泳いでいるのだ。

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 オフリドでさえ綺麗な湖が更に透明度が高いのだ。

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 その秘密は湖の反対側にあった。レストランがあってそれは浅い小さな湖に面してたてられてるのだが、その浅い湖が恐ろしくなる程透明なのだ。

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 どうやらもう少し先に水が涌き出るポイントがあってそれが直接オフリドに流れ込むから透明度が高いのだ。

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 そしてその水源まで手漕ぎボートで行けるらしい。でも値段は決まっていて人数で割るシステム。一人旅の私では不利だと食事を済ませて戻って来たら、三人組の女子旅一行が交渉中。私もそれに飛び込んでいざボートは出発した。

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 それにしても透明で、静かで、癒される時間を過ごせた。ゴールには小さな教会があって、教会内部がひとつの水源になっていた。現地の人が聖水と言って飲んでる教会の水を日本人が真似すると、効能があるどころか下手するとお腹を壊すが、これなら正しく聖水だ。

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 有り難く喉を潤して手漕ぎボート、大きなボートと乗り継いでオフリドに戻った。