シルクロードを西へ!トルコ編イスタンブール2

 見所が目白押しなイスタンブールに於いても、最も重要な場所がスルタン・アフメット地区だ。オスマン帝国のスルタン(王)の居城トプカプ宮殿、とアヤ・ソフィア、スルタン・アフメッド・ジャーミー(モスク)と最重要な施設が並列している。
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 そんな中でもイスタンブールと言う街を一番象徴している建物がその中心に位置するアヤ・ソフィアだろう。アヤ・ソフィアはビザンティン帝国時代にキリスト教の総主教座が置かれた、最も権威ある聖堂として建造された。
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 コンスタンティノープルを陥落させたオスマントルコのメフメッド2世はアヤ・ソフィアの素晴らしさに舌を巻き、この建物を破壊するのでは無く、モスクに改装して利用する事にする。
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(修復されたイコン)
 この時建物の四隅にミナレットが付け足され、それまで内部に描かれていたキリスト教のイコンは漆喰で塗り固められた。
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(天井のドームに描かれたカリグラフィ)
 現在ではトルコ政府によりモスクとしての役割を終え、博物館として一般公開され、塗り固められていた漆喰も剥がされ、イコンが復活した。その事により、アッラーを称えるアラビア文字のカリグラフィーの脇にキリスト像が描かれる。世界でも珍しい建築となっており、イスタンブールが辿ってきた歴史が此処に如実に表されている。
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 一方イスタンブールとは正反対にイスラームのモスクがキリスト教の聖堂に改装されたスペイン、コルドバのメスキータは現在でもキリスト教の聖堂であり、其処で礼拝をしようとしたモスリムが逮捕されると言う事件も起きている。その事からも、此処を博物館として平等に開放したトルコ政府の方針は称賛されるべき事だ。