第四惑星の悪夢

 地球防衛軍開発の全コンピュータ制御のロケット、スコーピオン号が完成した。テストパイロットにウルトラ警備隊のダンとソガが任命され宇宙に出発した。

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しかしロケットは消息を絶ってしまう。二人は地球に似た別の惑星に到着した。二人は探索を始めるも、やはり地球では無いらしい。と、突然交通事故が起き、それをダン達が警察に伝えると、その星の警察は彼等に言った。

「車は避ける余裕はない。人間が避ければすんだことだ」

そして警察は訝る二人を拘束し、この国の長官と名乗る男の前に連行した。そこでこの星は第四惑星だと言う事実を伝えられる。そして此処はロボットが人間を支配する星だったのだ。長官は言う。

「この惑星も昔は人間が支配していたのだ。ワシの記憶装置によると、2000年も前のことだ、人間はすっかり怠け者になってしまって……そのうちロボットに取って代わられたという訳だ」

ロボット長官の隙を見て、奴隷とされていた人間の秘書がダン達にメモを渡す。そこには地球の危機が知らされていた。

それは何を意味しているのか?それは言わずもがな、長官が語った。


「コンピュータの計算では第四惑星の人間はあと500年で滅亡する。そこで地球人に目をつけたのだ。地球を植民地にすれば30億ものエネルギー源を確保できる。」

このままでは地球が危ない!二人は秘書の機転によってロボットの基地から逃走する。しかしロボットの制裁を恐れた人間達は、二人を匿ってくれない。そんな事をしている内に、二人を助けた人間の秘書とその恋人がロボット長官の追っ手に捕まり公開処刑にされる事となってしまう。

ダンとソガは二人を助けるべく基地に戻り、ピンチとなった時、ダンはセブンに変身。地球に侵略を開始した第四惑星の宇宙船やロボット長官の施設を破壊した。こうして第四惑星のロボットは消滅した。

全てを終えて地球に戻った二人に、キリヤマ隊長は言った。

「とにかくスコーピオン号のテスト成功を機会に、地球防衛軍は全機関を電子計算機システムに切り替えるつもりだ。みんな楽になるぞ」

ソガ隊員は慌てて

「そんなことをしたら第四惑星みたいに……俺は見たんだ! ロボットの長官、処刑される人間……」

しかし、他の隊員には二人はまるで夢でも見てたかの様に思われ、信じて貰えないのであった。

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この物語は記憶から抜けていて、作品を振り返る最中に思い出したものだが、調べてみてビックリ!「ロボットが意思を持って人間を支配する。」この設定は正しく米映画のヒット作ターミネーターと同じだ。勿論ウルトラセブンの方が遥かに昔の作品であるし、ハリウッド映画は日本のアニメ等が元ネタになっている事が多いので、もしやするとジェームス・キャメロンはこの物語をもモチーフにしたのでは無いかと勘ぐってしまいたくなる内容だ。(実は当時流行った映画、猿の惑星をモチーフにして作られたと言われる。)

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それにしてもこの物語が放映されたのは私が生まれる以前であるから、50年弱も前の日本で、科学技術の進みすぎと、その恩恵に頼り切る生活への警鐘が、あの時代に最早日本に息づいていた事に驚きを感じる。

また、この作品は、先に紹介した「盗まれたウルトラアイ」の巻きと共に、怪獣や宇宙人が一切登場しない。その理由は、拘りに拘った結果、予算が足りなくなり、最早怪獣に予算をかけられなくなった結果、怪獣抜きのドラマで勝負しなくてはならなくなったからなのだそうだ。そんな結果、濃密なドラマが生まれ、今となってもファンの間で語り継がれているのである。