盗まれたウルトラアイ

 未確認飛行物体の調査の為パトロールに出ていたソガとアマギ隊員は、途中美少女が運転する大型トラックとすれ違った。

フルハシ「今の、女に見えなかったか?」

アマギ「ああ、イカス女の子だった」

フルハシ「ちくしょう、ダンプなんて運転しやがって」

そんなところに目が行くのは男の隊員ならではだが、やがて到着した宇宙船が着陸したと思われる場所でトラックの運転手風の男が倒れており、「女が!」とうわ言の様に叫んでいた。さぁ大変!さっきの少女が怪しい!

早速ダン隊員は少女が操るダンプを追うが、宇宙船の攻撃を受け倒れた隙に、謎の少女にセブンに変身する為のウルトラアイを盗まれてしまった。

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翌日とあるプラネタリウムで謎の少女は彼女の星と交信する。

「マゼラン星、マゼラン星、第一任務完了しました。迎えの円盤を送って下さい」

しかしその電波はウルトラ警備隊に傍受されていた。

ダンは少女が潜伏していると思われる若者が集まるスナック(ディスコみたいな場所)に向かうと、彼女にテレパシーで会話を試みた。

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ダン「聞こえるか」

少女「誰? 地球人ならテレパシーは使えないはずよ。分かったわ、あなたはセブンね」

ダン「ウルトラアイを何故取った?」

少女「それがあたしの任務だから」

ダン「地球を侵略するつもりなのか」

少女「こんな狂った星を? 見て御覧なさいこんな狂った星、侵略する価値があると思って?」

そう言い残し逃げていった彼女の後に、彼女が通信機として使っていたと思われるジュークボックスを解析すると次の様な事が書かれていた。

「恒星間弾道弾、既に発射せり、迎えに及ぶ時間なく……」

地球の危機を救う為、弾道弾を迎撃に向かうウルトラ警備隊、一方ダンは再び少女の元へ急いだ。しかし彼女に操られた若者達に襲われ気を失ってしまう。

気づくと少女がダンに忍び寄った。

少女「この星の命も午前0時で終わりです」

ダン「君も死ぬのか」

少女「私は仲間が迎えに来てくれるわ」

ダン「誰も来ない、君は初めから見捨てられてたんだ。」

少女は証拠となる暗号文を見せられ愕然として声を失う。

ダン「この星で生きよう。この星と一緒に!」

少女はウルトラアイをダンに返し、ダンはセブンとなって弾道弾の軌道を変え、地球を救った。

ダンが少女の元に帰ってくると、自分の星に捨て駒の様に裏切られ、見知らぬ星にひとりぼっちとなった彼女は自ら命を絶っており、彼女がつけていたペンダントだけが残されていた。

「何故他の星ででも生きようとしなかったんだ。僕だって同じ宇宙人じゃないか」

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とても切なくなる物語だが、此処でもシリーズを一貫している「異星人の共存は出来ないのか?」と言うテーマが描かれている。そして今回も悲しい結末に終わってしまうのである。

また、重要な着眼点として、

「僕だって同じ宇宙人じゃないか」

と、ダンが少女に同情を表している部分がある。地球を愛し、人類を助けてきたセブンでさえ、人類の宇宙人に対する差別心に怯え、決して人類の前では正体を明かす事はしなかった。そんなセブンの孤独な心境が「同じ宇宙人」と言うフレーズに詰め込まれている。

余談ではありますが、ダンはシリーズ中三回も美女宇宙人にウルトラアイを盗まれています。(湖の秘密)(マックス号応答せよ)(ダン対セブンの対決)。そしてその時ピット星人はリベンジを誓い、こんな言葉を残している。

「きっと成功するわ…。地球人の男性は、可愛い娘に弱いってことがわかったんだもの、うふふふふ……」

男性にとって美女は怪獣以上に注意が必要な存在なのかも知れません。セブン共々反省しなきゃですが、実に困った事にウルトラセブンシリーズには多数の美女が登場するのです。

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(ピット星人・湖の秘密)

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(ゴドラ星人・マックス号応答せよ)

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(アンドロイド0指令に登場するアンドロイド)

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(ウルトラ警備隊西へに登場したドロシー)

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(当時15才の松坂慶子さんは悪魔の棲む花にて怪獣ダリーに操られる少女役を演じました)

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(そして我らがウルトラ警備隊のアンヌ隊員)

and more…