ラオス旅行記4

 ビエンチャンの空港でタクシーを降りると、辿々しく運ちゃんがちょっと運賃の上乗せを試みる。

「さっきこの値段でって言ったよね!」

 と返すと「そうだよね…」って感じでアッサリと引き下がる。未々観光ズレしていなくて、観光客からボルのも未々修行中。百戦錬磨の私には軽くあしらわれてしまう。そんなところも実にラオスっぽくて良い。次来る時まで修行に励めよ!

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(ワット・インペン)
 さて行きはヨイヨイ帰りは非常にタイトな乗り継ぎをこなさなければいけなかった。バンコクでの乗り継ぎ時間は1時間。1時間あればと思うかもしれないが、広い空港を移動して手荷物検査を受け、乗り継ぎ便の出発20分前には登場ロビーに行かねばならないので結構忙しい。加えて今回は乗り継ぐキャリアが違うのでバンコクで発券しなければいけないから手間がひとつ増える。

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(ワット・シーサーケットの仏像)
 しかし此処は東南アジア、しかもラオス。案の定搭乗が15分遅れた。15分は東南アジアでは遅刻に入らない。係員ものんびり顔だ。奇跡的に15分後に搭乗は始まったもののフライとは更に遅れ、バンコク到着時には乗り継ぎ便の出発まで30分を切っていた。

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(ワット・ホー・パケオの仏像)
 飛行機がバンコクに降り立てば、私はフライング気味に機外へ飛び出し広大なスワンナプーム空港を爆走した。しかし其処で私は絶望した。発券カウンターはもう業務を終了してしまっていた。私は隣の関係ないカウンターの係員に搭乗口のカウンターに私の件を連絡してくれる様頼むと、人混みを掻き分け搭乗口を目指した。

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(ワット・ホー・パケオの仏像)
そして其処で再び私は絶望した。手荷物検査に長蛇の列が出来ているのである。やっとの事で検査を受け終わった時には私の乗るべき飛行機はとっくに出発している時間を過ぎていた。最早やるべき事は事後処理だけ。今日泊まるホテルを探して、明日の帰国便を再び探さなければ…と重たい足取りで搭乗口に向かえば、なんと未だ飛行機が待っているでは無いか!

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(ワット・シーサーケットの仏堂)
 怪訝な顔をして飛行機に乗り込み、狐につままれた顔して隣の席の人に「これは本当に成田行きですか?」なんて質問をして怪訝な顔をされた。その後機内放送が種明かしをしてくれた。どうやら手荷物検査が滞って大渋滞が発生し、その為に大幅に出発が遅れていたとの事。これが偶然にも幸いしてラオスから遅延して到着した私が搭乗に間に合う事が出来たのだ。

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 私はホッと胸を撫で下ろす反面、ちょっと残念にも感じた。まともに帰国しても待っているのは仕事。出発出来ずこのまま東南アジアのこの緩い雰囲気に包まれて、溶ける様に旅を続けられたらどんなに幸せか…夢想する私を現実に引き戻すかの様に飛行機のジェットエンジンが金切り声をあげながらバンコクの空へと飛び立った。